著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

和田アキ子さんは子宮全摘 I期なら妊娠出産できる手術ある

公開日: 更新日:

 治療法は、欧米では放射線治療が主流ですが、日本では手術が第一。がんが子宮頚部に限られていて外に広がっていないⅠ期なら、5年生存率は9割ほど。治療成績は高いのですが、和田さんのように全摘によって出産できなくなることが最大のネックでした。

 しかし、治療法が進んだ今は、子宮を温存して妊娠・出産を諦めずに済む治療法もあります。円錐切除術と広汎性子宮頚部摘出術です。

 円錐切除術は、がんになる前の異型成とⅠa1期の場合。Ⅰa1期は子宮頚部に限局するがんの深さが3ミリ以内で、縦方向の広がりが7ミリを超えないもの。電気メスやレーザーメスで子宮の入り口を円錐型に切り取る手術です。

 深さが3~5ミリ以内、縦方向の広がりが7ミリを超えないものがⅠa2期で、そのステージからⅠb1期(がんの深さが5ミリを超え、広がりが7ミリを超える)までのケースに行われるのが、広汎性子宮頚部摘出術です。子宮頚がんは一般に子宮体部に広がる可能性が少ないため、子宮体部を残しつつ、子宮頚部や膣の一部を含めて骨盤の近くまで切除します。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」