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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

和田アキ子さんは子宮全摘 I期なら妊娠出産できる手術ある

公開日: 更新日:

「人生でこれだけ泣けるのかって思うくらい泣いたね」

 歌手の和田アキ子さん(66)がバラエティー番組で、36年前にがんを宣告されて子宮を全摘されたいきさつを語り、つらい心境を吐露していました。

 子供が欲しくて検診を受けたら、がんが見つかり、子宮を全摘したそうです。当時30歳。妊娠適齢期です。女性なら涙を流すのは当然でしょう。

■ウイルス感染が原因

 子宮がんには、子宮の入り口にできる子宮頚がんと内部の膜にできる子宮体がんがあります。番組ではどちらか語っていませんが、発症年齢から推測すると、子宮頚がんでしょう。子宮内膜は生理ではがれて再生するため、閉経前に子宮体がんになるのはまれですから。

 その子宮頚がんは、セックスによって媒介するHPVというウイルス感染が原因。セックス経験のある女性は、8割が生涯に一度は感染するといわれています。セックスの低年齢化もあって、子宮頚がんは30代前半が発症のピークで、若い女性が患うがんの最多が子宮頚がんです。

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