著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

双子の研究で明らかに 肥満に“腸内細菌”のバランスが関係

公開日: 更新日:

肥満」はなぜ起こるのでしょう? これまでの研究によると、肥満の原因の40~75%は遺伝によって決まっているといわれています。

 それでは、遺伝ではない残りの部分はどうでしょうか。同じものを食べていて、同じ生活をしていても、太りやすい人とそうでない人とがいます。別に実験などしなくても、多くの人が経験的に理解していることだと思います。その原因はどこにあるのでしょう? 

 最近、注目をされているのが「腸内細菌叢」の違いです。大腸には大腸菌以外にも、バクテロイデスやビフィズス菌など、多くの細菌が生息しています。人間が食事をして、それが吸収される時には、腸内細菌による関与が大きいといわれています。そうなると、腸内細菌の種類や多さによって吸収される栄養素の量も変わり、太りやすい体質やそうでない体質の原因となっているのではないでしょうか。

 今年、肥満の専門誌に、双子の研究の一環として「腸内細菌の分析と体重の増加との関連」を調べた論文が掲載されました。それによると、特定の菌の数よりも、腸内細菌の種類が数多く、バランスよく生育していると、体重が増えにくいということが分かりました。腸内細菌をバランスよく育てることが、肥満にならない一番の方法なのかもしれません。

【連載】医者も知らない医学の新常識

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々