浴びないのは実は不健康 太陽光が体に良い「3つの理由」
むろん、日光を浴びるメリットはそれだけじゃない。体内でビタミンDを作る作用もある。
「ビタミンDには骨の成育に必要なカルシウムの体内吸収を高めるだけでなく、免疫作用をアップするなど、病気の予防効果があることがわかっています」(東丸名誉教授)
逆にビタミンDが不足すると骨へのカルシウム沈着障害が起きて、骨粗しょう症やくる病などの病気を発症させる原因になるといわれているほか、がんなどの病気の罹患率を高める可能性が指摘されている。
ビタミンDは魚やキノコなどの食べ物に多く含まれているが、食物だけで必要量を確保するのは難しい。紫外線を浴びることで皮膚のなかで生成する必要がある。
驚くべきは、最近の研究で紫外線にきわめて近いバイオレットライトと呼ばれる太陽光を浴びることで近視の進行を抑制する可能性が報告されていることだ。眼科専門医で清澤眼科医院(東京・江東区)の清澤源弘院長が言う。
「慶応大学の研究チームが昨年末に発表しました。紫外線と可視光線の中間にあたる波長360~400ナノメートルの光を浴びた近視のヒヨコは近視の進行が抑制されただけでなく、近視抑制遺伝子の数値が上昇していることがわかったのです。臨床研究からもバイオレットライトが通過するコンタクトレンズを装着している人はそうでない人に比べて、近視の原因のひとつとされる眼軸長の伸長が抑制されることが判明したそうです」