著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

砂糖の過剰摂取は「うつ病になりやすい」は本当か?

公開日: 更新日:

 砂糖の摂取量が多いと、うつ病の発症リスクが増加する可能性を示した研究は過去に複数報告されています。そのメカニズムは、砂糖のような糖質を過剰に摂取することで体のホルモンバランスが乱れ、それが精神状態に影響を及ぼしている可能性や、砂糖の摂取がもたらす体重増加や肥満が、うつ病発症のリスクとなっているのではないかと考えられているようです。

 そんな中、砂糖の摂取とうつ病発症リスクの関連を検討した研究が「サイエンティフィックリポート」という自然科学の専門誌に2017年7月28日付で掲載されました。

 この研究では2万3245例が解析対象となっており、砂糖の摂取頻度が高い集団から低い集団まで3つの集団に分け、うつ病を含む精神疾患の発症を比較しています。

「年齢」「性別」「喫煙」「飲酒状況」などの因子で統計的に補正して解析した結果、食品・飲料からの砂糖摂取量が最も低い集団に比べて、最も高い集団の男性では5年後の精神疾患の発症が23%増加することが示されました。

 この研究では食品・飲料からの砂糖摂取が心理的健康に悪影響を及ぼすことが示唆され、「砂糖の摂取量を抑えることで、より良い心理的健康状態を維持できるかもしれない」と結論しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」