著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

村中璃子さんにJ・マドックス賞 子宮頸がんワクチンが男性にも必要な意味

公開日: 更新日:

 ワクチンギャップという言葉をご存じでしょうか。欧米では接種が進んでいるワクチンなのに、日本では導入が進んでいない状態のことを指します。たとえば、日本ではおたふく風邪のワクチンは任意接種で、ほとんど接種されていません。

 そういうワクチンのひとつに子宮頚がんワクチンがありますが、昨年末、動きがありました。子宮頚がんワクチンの安全性を発信してきた医師でジャーナリストの村中璃子さんが、世界的な科学誌ネイチャーなどが主催するジョン・マドックス賞を受賞したのです。

 子宮頚がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで発症。毎年およそ1万人が発症し、約3000人が亡くなりますが、原因はHPV感染ですから、ワクチン接種でほぼ予防できます。それで2013年4月、定期接種が始まりましたが、健康被害問題が浮上したため、頓挫しました。

 ワクチンと健康被害の因果関係は明らかではなく、日本小児科学会などは接種勧奨の再開を要望する声明を発表しています。今回の受賞は、接種再開を後押しすることになるでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    平野紫耀から杉咲花に「翠ジンソーダ」キャラクターわずか1年でバトンタッチのナゾ…平野ファン大混乱

  2. 2

    小芝風花は大河「べらぼう」とBS時代劇「金と銀2」“NHK掛け持ちW主演”で大丈夫なの?

  3. 3

    自公維の「高校無償化」に慶応女子高の保護者が動揺? なぜだ?

  4. 4

    中村芝翫「同棲愛人と破局宣言」で三田寛子の夫婦関係はどうなる? “梨園の妻”の揺れる心中

  5. 5

    佐々木朗希「通訳なし」で気になる英語力…《山本由伸より話せる説》浮上のまさか

  1. 6

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  2. 7

    吉沢亮のアサヒビールだけじゃない!業界別CM「絶対NG」のタレントたち…ケンカ、運転事故、不倫はご法度

  3. 8

    開成合格でも渋幕に入学する学生が…強力なライバル校出現で揺らぐ唯一無二の存在

  4. 9

    【福井県おおい町】名田庄の自然薯そばと「大飯温泉」

  5. 10

    確率2%の抽選で10万円で永住権を手にした在米邦人が語る 7億円「トランプ・ゴールドカード」の価値