COPDの新たなメカニズム解明 新治療法の登場につながるか

公開日: 更新日:

 患者にとって重要なポイントは、メカニズム解明によってQOLを改善させるような新しい治療が期待できること。この研究には治療ターゲットになりえる次の2つのポイントがある。
ポイント①…本来の無害な鉄は、「NCOA4」という積み荷を運ぶトランクのようなもので運ばれ、オートファジーという処理工場で有害な遊離鉄に分解される(図中(2))。このNCOA4の働きを抑えることで、有害な遊離鉄への分解を抑制し、結果、細胞膜の酸化反応やフェロトーシスを抑制する。
ポイント②…細胞膜を構成する脂質の酸化は「GPx4」というタンパクでも抑制できる。GPx4を強化することで、酸化を抑え、細胞死を回避できる。

「NCOA4やGPx4を標的とした治療は十分に可能だと思います。気道に特異的にアプローチしなくてはならないなど課題はありますが、遠くない将来、根本的治療法がなかったCOPDに対する治療薬が登場する可能性は高いです」

 だからこそ、いま私たちが肝に銘じるべきは、COPDの早期発見。喫煙者や受動喫煙者は呼吸器内科でスパイロメトリーの検査を。

 なお、息苦しさ、呼吸困難などの自覚症状が出てからでは、“早期発見”とは言えない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…