学校にマスク持参の科学的根拠は? “手作り”で防げるのか

公開日: 更新日:

 文科省が作成した学校再開に向けたガイドラインを聞いて、仰天した人も多いのではないか。

 咳き込む子供は仕方ないが、近距離での会話や発声が必要な場面でも、できる限りマスクを着用するよう求めており、登校には「マスクが必須」といわんばかりの内容だ。それに合わせて春休み期間中に各家庭でマスクを作るよう呼びかけたほか、家庭での対応が難しい場合を想定し、社会教育施設や子育て支援関係者などにより、手作りマスクの普及に努めてほしいとしている。手作りで防げるとは驚きだ。ガイドラインにはマスクが入手できない児童・生徒がいじめられるようなことがないよう、注意を促しているが、そのための解決策は何も書かれておらず、無責任極まりない。

 今は医療従事者ですらマスクを手に入れるのが困難だ。どうすればいいというのか。そもそもいつから、マスクで新型コロナウイルスを防げるということが学校現場で強要されるほど、科学的根拠を持つ医学常識になったのか? 長く地域医療と公衆衛生に携わってきた岩室紳也医師が言う。

「感染していない人がマスクをすることでウイルスを防げるという事実はありません。それが本当なら医師や看護師が新型コロナウイルスに感染することはないはずです。現実には日本でも医師や看護師は感染していますし、イタリア、フランスでは多くの死者を出しています。感染している人がマスクで他人を感染させるリスクを減らせるのは、飛沫に含まれるウイルスの飛散を防ぐからです。ただ、ウイルスはとても小さく、飛沫が乾くとマスクの網の目を楽々通ってしまいます」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然