医療従事者は新型コロナウイルスのワクチンを打つのか?

公開日: 更新日:

 活性や毒素を弱めたウイルスを使用しないうえ、mRNAは役割を終えると分解されて体内に残らないとされ、臨床試験でも重篤な副作用は報告されなかったが……。米国の研究機関で遺伝子研究に携わってきた岡山大学病院薬剤部の神崎浩孝氏は言う。

「これまでになかった新しいタイプのワクチンなので、今回の臨床試験ではわからなかった予期せぬトラブルが起こる可能性はゼロではありません。より大規模に実施したり、長期的に見た場合、人体にどんな影響が表れるかは未知数といえます。実際、16歳未満の若年層や妊婦への効果やリスクの検証については、臨床試験のデータが不足しているという指摘もあります」

 世界で初めてワクチン接種を始めた英国では、重篤なアレルギーを抱えている人に急性過敏反応が起こり、注意喚起が行われた。

■どれくらい効く?

 ワクチンを打てばどれくらい発症を防げるのかについても、あらためて考える必要がある。臨床第3相試験では、ファイザーが約95%、モデルナが約94%という「有効率」が確認された。劇的な効果がありそうに思えるが、この有効率は、ワクチンを接種すれば9割以上の人が発症を防げることを示した数字ではない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」