著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

友人の数より理解者こそが大切 たった1人で百人力になる

公開日: 更新日:

 基準となる1本の線が書かれたカードと、長さの異なる3本の線が書かれたカードを被験者に見せて、前者のカードの線と同じ長さのものを、後者のカードの中から選ばせるという実験を、次の条件で行いました。【7人の集団で12回行う】【7人中6人はサクラで、本当の被験者は7番目に回答する】【6人のサクラは12回のうち7回、全員がわざと同じ誤答をする】――

 結果、37%の被験者が、一度は間違った回答をしていました。間違うのは、サクラ6人が全員一致で誤答したときが最も多く、1人でも正解を言うサクラがいると正解率は大きく跳ね上がったそうです。つまり、正しいものを選んだとしても、大多数の人が間違った意見を口にすると同調圧力が働き、多数派の意見になびいてしまうことが明らかになったのです。

 同時に、自分と同じ回答を選ぶ味方がいたケースでは正解率が跳ね上がったように、たった1人でも味方がいれば、自分の気持ちを正直に言いやすい傾向があることも分かりました。「アッシュの同調実験」は、まさに人間の不安定さを浮き彫りにした実験であり、一個人が“変わった人”で存在することの難しさを伝えているとも言えるでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」