友人の数より理解者こそが大切 たった1人で百人力になる
昨今、「おひとりさま」という言葉をよく耳にします。「1人焼き肉」「1人カラオケ」という具合に、友人と共に時間を過ごすのではなく、自分1人で好きなことをする――。そういった傾向はコロナを契機にさらに高まっているといいます。
外出自粛に伴うイエナカ時間や、3密を避けるためのソロ活動の増加により、1人でも楽しめるサービスが増え、今ではソロ活動を“寂しいもの”と解釈する人はあまりいないかもしれません。
そもそも、人付き合いがおっくうな人にとっては、「友人が少ないことは不幸なの? 友人は最低限いればいい」と考える方もいるはずです。友人が多いと、さまざまな情報を共有したり、わいわいがやがや楽しめたりと、孤独を感じる機会の減少につながる半面、あちらを立てればこちらが立たず、人間関係の複雑さに疲弊してしまう場合もあります。友人の数が多いからといって、幸せが約束されるわけではない。だからこそ、人間は加齢と共に友人との付き合い方が変わるのでしょう。
私は、「理解者の数こそ大事」だと思っています。人間は、多数派や周囲の反応に合わせてしまう生き物。スワースモア大学のアッシュによる有名な実験に、「アッシュの同調実験」(1955年)と呼ばれるものがあります。