加齢で衰えるが…「噛む力」を維持すれば心臓病を予防できる

公開日: 更新日:

■全身の血流にも影響

「噛む」という運動そのものが関係している可能性もある。

 われわれが上下の歯を合わせて噛む動作をすると、「噛んだ」という情報が脳の視床下部に伝わり、脳内で「ヒスタミン」という生理活性物質が産生される。ヒスタミンは、アレルギー反応、炎症、睡眠と覚醒、食欲調整などさまざまな働きに関わっていて、産生されると交感神経が刺激される。その刺激により内臓脂肪が燃焼して熱が発生すると、脳は熱を放出して体温を一定に保つため血管を広げ、全身の血流がよくなるのだ。

「噛むという動作が脳の血流を増やし、脳を活性化することも報告されています。とりわけ、記憶をつかさどる海馬や、意欲や集中力をつかさどる前頭前野の血流が増えて活性化するといわれています。噛むときには咀嚼筋などの筋肉や頭部の骨を使います。そのため、噛むと顔をはじめとした上半身の血流がよくなることも知られています」

 噛む力が低下して噛む機会が減っていくと、血流が悪くなって循環器疾患の発症に影響すると考えられる。だからこそ、噛む力をしっかりキープすることが肝心だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方