著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【インフルエンザ】子供には使わない方がいい解熱剤がある

公開日: 更新日:

 インフルエンザの治療薬といえば「タミフル」(一般名オセルタミビル)をイメージする方が多いのではないでしょうか。

 かつて、このタミフルを服用した10代の患者さんがベランダから飛び降りたり、踏切に飛び込んだりするなどの異常行動が社会問題となりました。タミフルの添付文書も、10代への使用を「原則として差し控える」と2007年に改訂されました。

 しかしその後、厚労省研究班の調査報告において、「インフルエンザ罹患時には薬の種類や服用の有無に関係なく異常行動が発現する」という事実が報告され、18年に10代への使用制限は解除されました。現在では、これら異常行動はインフルエンザ自体が原因であったと広く考えられるようになっています。

 異常行動は「インフルエンザ脳症」でも起こります。これはインフルエンザに伴って起こる脳の炎症で、主に小児に多く発症が見られます。主な症状は、意識障害、けいれん、異常な言動・行動の3つです。

 インフルエンザでは高熱が出るため、解熱剤を用いることが多いと思いますが、小児では注意が必要です。「ジクロフェナクナトリウム」など一部の解熱剤は、インフルエンザ脳症発症時の死亡率を高めることが知られているのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  3. 3

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  4. 4

    米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 7

    大富豪の妻と離婚でファン離れ? イケメン既婚者俳優ディーン・フジオカの気になる今後

  3. 8

    自民×維新は連立早々に“成田離婚”も? 政策も理念も、「政治とカネ」に対する意識も、政治姿勢もバラバラ

  4. 9

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  5. 10

    首相補佐官に就く遠藤敬氏に世間は「Who?」…維新の国対委員長が連立政権「キーマン」のワケ