【動物咬傷】ネコにひっかかれて発症したら破傷風の予防を
長期にわたるコロナ禍で在宅時間が長くなり、自宅でペットと過ごす時間が癒やしになっているという人も多いのではないでしょうか。ただ、動物はそれぞれ固有の常在菌を持っているため、噛まれたりひっかかれたりした場合には、普段なら感染しないような細菌に侵される場合があり、注意が必要です。
それぞれの動物に特有な細菌として、イヌやネコの口腔内に常在するパスツレラ(Pasteurella)属菌や、ネズミのスピリルム・マイナス(Spirillum minus)、ストレプトバチルス・モニリホルム(Streptobacillus moniliformis)などが知られています。いずれの場合もペニシリン系の抗菌薬が効果を示す場合が多いとされています。
ネコの場合、ひっかかれたり、なめられることによりバルトネラ・ヘンセレ(Bartonella henselae)という細菌に感染し、「ねこひっかき病」と呼ばれる感染症を起こすケースがあります。健常者に発症した場合はほとんど自然治癒するのですが、受傷から数日後に丘疹や水疱が生じ、一部では化膿や潰瘍まで発展する場合もあります。その後、脇の下などリンパ節の腫脹が表れることもあり、注意が必要です。