国産初の新型コロナ経口治療薬はどれくらい効果があるのか
都内にある医療機関の臨床現場で新型コロナ治療に携わっている専門医は言う。
「臨床試験の最終的な結果は報告されていませんが、現場で聞いた情報によれば、塩野義の経口治療薬は投与2日目くらいから体内のウイルス量が激減していくといいます。5000(pg/ミリリットル)以上と計測されていた数値が、2日目で半分、4日目には4分の1といったように、どんどん少なくなるようです。新型コロナウイルスに感染した場合、発症から10日ほどで体内に抗体がつくられ回復していきます。レムデシビルなどを使ったこれまでの投薬治療は、それまでの間に重症化することを防ぐために行われていました。もちろんその効果はありますが、ウイルス量に関しては体内で抗体がつくられるまでは横ばいで推移するケースがほとんどです。ウイルス量の減少が、そのまま症状の改善かといえば、すべてがそうとは言えません。ただ、早い段階でウイルス量が減少するとなれば、重症化や死亡リスクが低くなったり、早期の回復を期待できそうです」
塩野義の経口治療薬は錠剤タイプで、計5日間服用する。重症化リスクに関係なく広く処方できるようになれば、いまだに続くコロナ禍を乗り切るための強力な武器になるかもしれない。