前立腺がんは50歳代から急増する 家系に患者がいる人はリスクが2~5倍
前立腺がんは、予後のいいがんだ。早期に発見されれば5年生存率がほぼ100%であり、何の治療もせず経過観察だけの「監視療法」という選択肢もある。
「しかし、転移が見られるステージ4では基本的にホルモン療法や化学療法しか行えず、5年生存率は5割程度。ホルモン療法が効かない去勢抵抗性前立腺がんもあり、より治療の選択肢が狭まります」(上村医師=以下同)
また、ステージ3までは5年生存率はほぼ100%近くではあるものの、PSA検査の値やがんの悪性度では監視療法は治療選択肢から外れる。全摘手術、放射線治療、ホルモン療法といった選択肢があるが、いずれも一長一短。たとえば手術では、がんができた前立腺を全部取るので安心な一方、再びPSAが上昇する率も低くはない。勃起障害や排尿障害が起こり、術後1年以降も尿漏れパッドが必要な人は5~10%。放射線治療では頻尿、血尿、血便などの副作用があり、施術後数年後に起こる人もいる。
前立腺がんを早期発見するために、知っておきたいことは次の通りだ。
■自覚症状に頼っていてはいけない