保健適用が拡大された「陽子線治療」の実力 効果が高く副作用が少ない

公開日: 更新日:

 従来の放射線治療で使われるX線は、放射線量が最大なのは体の表面近くで、体内を進むにつれて減少する。そのため、体の奥深いところにがんがある場合は一方向の照射だけでは治療が成り立たない。また、がんに到達する前も通過した後も正常組織にダメージを与えてしまうので副作用のリスクが高くなるという弱点がある。

 冒頭でも触れたように、陽子線治療は2022年4月から保険適用が拡大された。加わったのは①肝細胞がん(長径4センチ以上のもの)、②肝内胆管がん(手術できないもの)、③局所進行性膵がん(同)、④局所大腸がん(手術後に再発したもの)の4疾患で、X線などほかの治療と比べて有効性と安全性のメリットが大きいと認められたからだという。

■膵がんで生存率が2倍に

「たとえば手術できない局所進行性膵がん(ステージ3)では、標準治療とされる抗がん剤の単独療法における生存期間の中央値はおよそ10カ月です。それが陽子線治療では約20カ月、平均的な生存率が2倍に延びることがわかっています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 4

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  5. 5

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  1. 6

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  2. 7

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール

  3. 8

    織田裕二「踊る大捜査線」復活までのドタバタ劇…ようやく製作発表も、公開が2年後になったワケ

  4. 9

    「嵐」が2019年以来の大トリか…放送開始100年「NHK紅白歌合戦」めぐる“ライバルグループ”の名前

  5. 10

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞