「超小型陽子線治療装置」開発のカギは回転しないガントリー

公開日: 更新日:

 がんの標準治療のひとつである放射線治療は、一般的なX線治療と粒子線治療(陽子線治療、重粒子線治療、ホウ素中性子捕捉療法)に分けられる。粒子線治療はX線治療と比べて治療効果が高く副作用が少ないとされるが、設備に大型の加速器が必要になるため、導入する医療機関はごく一部に限られている。

 そんな粒子線治療の中でも「超小型陽子線治療装置」(以下、超小型装置)を開発して普及させようとしているのが、2017年に創業した放射線医学総合研究所(放医研)発のベンチャー企業「ビードットメディカル」(東京都江戸川区)だ。どれくらいの小型化に成功したのか。同社の古川卓司社長が言う。

「従来の陽子線治療装置は重量が約200トン以上の巨大な装置で、治療室1室に対し、操作室を含めテニスコート1面分の設置スペースが必要です。超小型装置は、従来装置より高さを3分の1、重さを約10分の1まで小型化することに成功しました。一般的なX線治療装置を配置しているスペースのある医療機関であれば導入が可能です」

 古川社長は、もともとは放医研の研究員。医療機器メーカーなどに治療装置のコンサルティングを行う中で、陽子線治療装置を小型化できると確信したという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  2. 2

    【スクープ!】元横綱白鵬が相撲協会に「退職届」を突きつけていた! あまりの自己チューぶりに「洗脳説」まで浮上

  3. 3

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  4. 4

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  5. 5

    白鵬が失った「推定5億円」…“干殺し”で損失はまだまだ増える

  1. 6

    松山千春だけじゃない“黒い交際”が切れない芸能人たち…組長の誕生日会やゴルフコンペに堂々参加の過去

  2. 7

    農水省は「品質管理徹底」と言うが…新たに放出の備蓄米「古古米」「古古古米」はおいしいのか?

  3. 8

    元横綱・白鵬の凄まじい嫌われっぷり…理事長どころか理事すら絶望的の自業自得

  4. 9

    ドジャース大谷の3年連続本塁打王に超強力ライバル…ベテラン2人が「新規大型契約」狙い目の色変える

  5. 10

    眞子さん極秘出産で小室圭さんついにパパに…秋篠宮ご夫妻に初孫誕生で注目される「第一子の性別」