日常生活の思考における約12%が「自分自身に関する比較」
もしもスポーツテストや学力テストなどがなければ、簡単に(身体能力や学力において)自分がどれくらいの存在なのかを把握することは難しいはずです。膨大な情報をリサーチして処理をしないといけませんから、客観的な指標の割り出し自体に時間がかかってしまいます。
人間というのは基本的に面倒くさがりです。よく言えば、効率主義。省エネで判断するために、社会的比較を行うというわけです。そのため、スポーツテストや学力テストといったわかりやすい指標が世の中にはたくさんあるのです。
また、次のような興味深い「比較」に関する研究もあります。
米マイアミ大学のサマービルらによる研究(2008年)では、日常生活の思考における約12%が「自分自身に関する比較」だそうです。その中でも「自分と他人を比較する」が4分の1を占めていることがわかりました。日常的に人間は自分を何かと比べ、さらには他者と自分を比較してしまう──。そもそもの大前提として、「自分と他人を比較してしまう」ことを受け入れてみるといいかもしれません。最初から「どうせ比べてしまうんだから」と割り切れば、もしも「劣等感」や「焦燥感」などが生まれても、冷静に向き合い、対処しやすくなるのではないでしょうか。