「ハイパーサーミア療法」はがん治療の開始とともにスタートすべき…脳神経外科医が提言
「治療は簡単です。患者さんは身に着けている金属物を外し、加熱する部分の着衣を脱ぎ、治療テーブルに40~60分間、横たわるだけ。テーブルがガントリードームに移動し、患部に上下電極が装着され、治療が行われます。この治療法が優れているのは、がん種にかかわらず効果が期待できること、がん細胞以外に影響を与える可能性が少ないことです」
正常細胞は温度が上昇すると、周りの血管を拡張して血流を増加させて熱を血液によって移動させて体外に逃がす仕組みがある。ところが、がん種にかかわらずがん細胞は新生血管と呼ばれるもろい血管に覆われているため、それができない。結果、熱がこもって壊れやすい。そもそも酸素を使わずエネルギーをつくるがん細胞は低酸素状態であり、熱の影響を受けやすいという特徴がある。
■治療機器の性能が向上
むろん、他の治療法と同じで副作用がまったくない、というわけではない。皮下脂肪が過度に加熱されると硬結と痛みが生じることがある。しかし、それも1~2週間で消失し、後遺症も残らないという。