陽子線でがんを狙い撃つ(3)予後不良の進行肺がん、膵がんの救世主になるか

公開日: 更新日:

「肺がんは発見された段階で手術不可の進行がんが大半。薬物の進歩をもってしても予後が厳しい。そういった患者さんが陽子線で予後良好となるケースが少なくない」

 進行がんで発見され治療法が限られているという意味では、食道がん膵がんも該当する。膵がんでは温熱療法(体内のがん組織の温度を上昇させる)や高気圧酸素療法(がん内の低酸素状態を改善しがんの増殖を抑制する)との組み合わせで治療成績が上がることが期待されている。手術が可能でも術後QOLが著しく障害される場合は、陽子線が治療選択肢に入ることもある。

「頭頚部がんでは、浅側頭動脈からがんの栄養血管にカテーテルを挿入し抗がん剤を直接投与する動注療法と陽子線の併用で、100%近い制御率を目指しています」

「これこそ陽子線」というがんには、保険適用でなくても先進医療対象のものがいくつかある。陽子線治療の自己負担額は350万円。自由診療となると全額自己負担だが、先進医療対象であれば、民間のがん保険に入っている場合、先進医療特約でカバーできることを押さえておきたい。 (つづく)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  4. 4

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  5. 5

    timelesz篠塚大輝“炎上”より深刻な佐藤勝利の豹変…《ケンティとマリウス戻ってきて》とファン懇願

  1. 6

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  2. 7

    国民民主党“激ヤバ”女性議員ついに書類送検! 野党支持率でトップ返り咲きも玉木代表は苦悶

  3. 8

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  4. 9

    波瑠のゴールインだけじゃない? 年末年始スクープもしくは結婚発表が予想される大注目ビッグカップル7組総ざらい!

  5. 10

    アヤックス冨安健洋はJISSでのリハビリが奏功 「ガラスの下半身」返上し目指すはW杯優勝