たばこを吸わない人の「肺がん」増加! 症状がないから大丈夫…と思ってはいけない

公開日: 更新日:

 肺がんを、喫煙者または受動喫煙者にリスクが高い病気だと思っていないか? 自分はたばこを吸わないから、身近に吸っている人もいないから、発症するはずがないと──。実は今、たばことは強く関連しない肺がんが増えている。

  ◇  ◇  ◇

「肺がんの患者数は右肩上がりに増えています。一方で、喫煙者は減っている。これは、たばこが原因でない肺がんが増えていることを意味します」

 こう指摘するのは、中部国際医療センター(岐阜県)で最先端の技術を用いた肺がん治療を行っている樋田豊明医師(肺がん治療センター長・呼吸器内科部長)だ。

 表を見てほしい。肺がんは「組織型」というがんの種類の分類法で腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん、小細胞がんの4つに分かれ、発生しやすい部位や特徴がそれぞれ異なる。

「4つの分類のうち、喫煙との関連が強いのが扁平上皮がんと小細胞がんです。喫煙率の減少によって、扁平上皮がんと小細胞がんは減っています。そして、喫煙とはそう関連が強くない腺がんが急激に増えているのです。腺がんの発症理由ははっきりとわかっていません。ただ、PM2.5をはじめとする大気汚染が肺のがん細胞の遺伝子異常を起こすことを示唆するデータが複数出ています」(樋田医師=以下同)

 たばこが身近ではない生活を送っていると、「肺がんにはかかるはずがない」と考えがち。しかし、もし大気汚染が肺がん発生に関係しているなら、過剰に心配する必要はないものの、だれでもリスクがあると言える。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇