親として子供にどう「性」を伝えるべきか? 性教育に力を入れる医師に聞いた
日本の性教育は学校や教師ごとにばらつきが大きく、質・量ともに決して十分なものとは言えない。
“寝た子を起こすな(性的好奇心を起こすような情報を与えるな)”とよくいわれるが、知りたいと思えば、インターネットでなんでも調べられる時代だ。得た情報が間違ったもので、是正されずに大人になる可能性も大いにある。親として、どうすべきか?
「親が持たない、ほかの視点で話ができる大人をたくさん、子供の周りに置くことです。私の母親は潔癖症で、エイズの患者さんを診ている私に対し『もっとまともな患者さんを診たら』と言う。一方で、伯母夫婦は『いい仕事をしているね』と応援してくれる。考え方はさまざまでいい。コンドームの使い方を話せる大人もいれば、セックスの話題なんてという大人もいる。正確な情報を伝えようとするのではなく、いろんな話をできる環境が子供にとって必要。情報や教育だけでは知識にしかなりませんが、話せる場があれば、知識を生かしたコミュニケーションが生まれ、生きる力につながります」
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▽岩室紳也医師 自治医大医学部卒業。泌尿器科医として診療の傍ら、40年近く学校や保健所、自治体などで性教育や公衆衛生に関する講演、執筆などを行う。通称「コンドームの達人」。日本性感染症学会、日本エイズ学会、日本泌尿器科学会所属。「中高生からのライフ&セックス サバイバルガイド」「イマドキ男子をタフに育てる本」など著書多数。