親として子供にどう「性」を伝えるべきか? 性教育に力を入れる医師に聞いた
高校生に向けて性教育を行う男子高校生3人の団体セクテル。8月20日発売の本欄で取り上げたが、彼らが活動を起こすきっかけとなったのが岩室紳也医師の講演だ。「性教育の授業というと気詰まりで、情報が古く、プリントの穴埋め的。しかし岩室先生の話は失敗談を織り交ぜたエピソードで、知識を伝えるというより、性について考えようというものだった。独り占めするのはもったいない。思ったより知らないことがたくさんある性教育を広めたい」(セクテル)
そう彼らに言わしめる岩室医師の性教育とは?
■「正解依存症」から脱却せよ
岩室医師が、挙げたのが「正解依存症」という言葉だ。
「親としてどう性教育を行うべきかとよく聞かれます。親は子供に対して、正解以外のことを伝えられません。例えば、『酔っぱらってコンドームなしに寝ちゃって、妊娠して中絶せざるを得ないことがあった』なんて話はできませんよね。子供たちが聞きたいのは失敗の話。そこからイメージして、自分ならどうかを考える。また、失敗を許容する社会にもしていかなくてはなりません。その裏返しが、自分なりの正解を疑うことなく押し付ける『正解依存症』。正解を並べても、聞いた人の心には残らない」