紀元2世紀にはエジプトに仏教が伝来していた証拠⁉ 大理石でできたブッダの像を発見
「紀元2世紀にエジプトに仏教が伝来していた証拠」と話題になっている。
先月、米国とポーランドの考古学合同調査団がエジプト南東部の紅海に面した港湾都市ベレニケで、ローマ時代初期のイシス女神を祭る神殿を発掘していた際、大理石でできた仏教の開祖ブッダの像を発見したのだ。
エジプト観光・古代史省は4月29日、フェイスブックで仏像の写真を公開。高さ71センチで、頭に光輪をつけ、手に蓮(はす)の花を持った立像で、紀元2世紀中ごろのものだという。
これまでにもコショウの実などローマ時代におけるエジプトとインドとの交易を示す証拠は数多く発見されているが、今回の発見は、宗教・芸術面での交流も示している証拠として特に重要だという。
エジプトの最高古代遺産評議会のモスタファ・アルワジリ議長も、この発見は「ローマ時代のエジプトとインドの間の貿易関係の存在を示す重要なもの」としている。
紀元前6世紀にブッダによって始まった仏教はその後、徐々にアジアに広がり、中国や日本にも伝承。エジプトから仏像が発見されたことは、地中海世界にも仏教が伝わった可能性を示唆しているという。