昼間人口70万人! 130カ国超の人々が住む新宿区の分煙事情
都庁がある新宿区は人口35万人だが、流入する通勤・通学者などで昼間人口は70万人超に膨れ上がる。さらに外国人人口が4.4万人で何と130カ国以上の国籍を持つ人々が暮らしているグローバルタウンである。
その新宿にも再開発の波が押し寄せ、小田急百貨店がある新宿駅西口地区では大規模な「新宿グランドターミナル構想」のプロジェクトが進められている。工事の影響で駅西口前にあった横断歩道が廃止され、バス乗り場や新宿駅西口公衆喫煙所には地下のエレベーターを利用しなくてはならなくなった。それでも以前に比べ手狭になった喫煙所では30人ほどの喫煙者が思い思いに一服タイムを過ごしていた。屋内の原則禁煙化が進む中で、公衆喫煙所は貴重な喫煙スポット。どれだけ不便になろうが、喫煙者はルールを守って律義に利用しているのである。
■たばこ税収年間55億円で公衆喫煙所はわずか12カ所
令和5年度の新宿区の予算を見ると、特別区たばこ税は年間55億円あまりで前年度比約6億5000万円の増収となっている。一方、歳出で分煙環境整備関連をチェックすると、「路上喫煙対策の推進」に1億5590万円が計上されている。内訳は路上喫煙パトロール8796万円、喫煙所(7カ所)の維持管理4637万円などである。これとは別に「公衆喫煙所整備費助成」として年間3件分.3000万円と、屋内の喫煙専用室助成として2件分.500万円が計上されている。このほか「ポイ捨て防止ときれいなまちづくり」(約1400万円)といった予算もある。これらを合わせると約2億円。たばこ税収の3.6%相当でしかない。