単独高齢者の「身元保証サービス」にトラブルが10年で4倍…政府ガイドライン策定でも疑問点が

公開日: 更新日:

 急速な高齢化と核家族化の進展で高齢者の単独世帯が急増している。世帯主が65歳以上の単独高齢者世帯は、2020年の737万8000世帯から50年には1083万9000世帯と、65歳以上世帯の約半数(45.6%)が単独世帯となる(国立社会保障・人口問題研究所調査)。

 総務省が行った「高齢者の身元保証に関する調査」では、病院・施設の9割以上が入院・入所希望者に身元保証人を求めているとし、身元保証人がいない場合は入院・入所を断る病院・施設が15.1%に上るとする実態が明らかになった。

 身元保証は多くの場合、親族が身元保証人となる。だが、親族や頼れる友人のいない単独世帯の増加で、家族に代わり医療機関や介護施設に入所する際の身元保証や死後事務(葬儀・供養)を代替する身元保証サービス事業者が急増している。一方で利用者と事業者との間にさまざまなトラブルが生じている。相談件数は国民生活センターによると、23年度は354件で、この10年で4倍にもなっているのである。

 政府は6月、身元保証事業者を対象に「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を策定、利用者が安心して事業者を選択できる基準を公表した。対象となるのは、「身元保証等サービス」及び「死後事務サービス」を提供する事業者。「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン制定の背景」とするリポートを発表した(8月13、14日)ニッセイ基礎研究所社会研究部の鈴木寧部長がこう述べる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  5. 5

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  1. 6

    12月でも被害・出没続々…クマが冬眠できない事情と、する必要がなくなった理由

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  4. 9

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

  5. 10

    2025年のヒロイン今田美桜&河合優実の「あんぱん」人気コンビに暗雲…来年の活躍危惧の見通しも