“薬物疑惑でも五輪メダル1個”が語る日本中長距離界の現実
2日付の英紙「サンデー・タイムズ」が01年から12年までに開催された五輪と世界選手権の陸上中長距離競技で大勢の選手にドーピング疑惑があると報じたことが話題になっている。
同紙によれば、出場した約5000人のデータを調べたところ、800人以上にドーピングの疑いがあることが発覚。国別の内訳はロシアの30%がトップで、日本も米国や中国と並び5%の選手にドーピングの疑いがあるという。
この調査が事実であれば、実に延べ40人以上の日本人選手にドーピング疑惑があることになる。それはそれで日本陸上界にとっては大きな問題だろうが、見方を変えれば「日本人選手はクスリを使っても結果が出せない」ということだ。
そもそも、この調査対象期間中の五輪陸上中長距離競技に限れば、日本人選手がメダルを獲得したのは男女を合わせても04年アテネ大会の女子マラソンで金メダルを取った野口みずきだけ。日本人選手は薬物の力を借りても結果を残せなかったことになる。中長距離選手の実力がいかに世界レベルとかけ離れているかが分かる。
クスリに頼って好成績を出すことは言語道断だが、日本の中長距離界はどうやらそれ以前の問題。まずは選手のレベルアップが急務か。