白鵬“奇襲”の元凶と指摘 スポーツの品位貶めた「テレビの罪」
■ベンチでの高笑いは視聴者ウケ狙い
存在が軽くなったといえば、プロ野球の監督もそうだ。就任1年目で日本一になったソフトバンクの工藤監督(52)などは、自軍が得点するとベンチの中で大口あけて「ガハハハッ」と笑ったりはしゃいでいる姿がテレビに何度も映し出された。工藤監督も前身はテレビ局付の解説者だ。何が視聴者にウケるのかは先刻承知なのだろう。
東映、巨人OBの高橋善正氏(評論家)がこう語る。
「昔の監督はベンチでどっしり構えて、まるで戦国武将のようでした。私のプロ入り1年目の水原(茂)さんも、巨人に移籍した時に監督だった川上(哲治)さんもそうです。圧倒的な存在感で、こっちから声をかけられる人ではなかった。南海戦の時、相手の鶴岡(一人)監督に『高橋、調子はどうだ?』と言われた時は、すぐに姿勢を正して『はい!』って答えたことを覚えています。当時の監督は選手を鼓舞したり、持ち上げることもしない。そういうことはコーチの仕事でした。いいか悪いかは別にして、今の監督はみんなお兄さんみたいな感じになった」