白鵬“奇襲”の元凶と指摘 スポーツの品位貶めた「テレビの罪」
スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏も、テレビ局の罪を指摘する一人だ。
「テレビ局というのは少しでも目立った活躍をした選手がいれば、ファンの関心をいいことにバラエティーなどの番組に引っ張り出したり、スターに仕立て上げる。テレビ局は熾烈な視聴率競争が絶えない世界。その道具としてスポーツ選手を安易にタレント化させてしまう。視聴者もテレビ局に踊らされ、肝心のスポーツに対する見解は深まらない。最終的にはテレビ局のスターづくりに加担していることになる」
視聴率のためなら、W杯で一躍「時の人」となったラグビー日本代表だって餌食にする。
今や五郎丸をテレビで見ない日はないが、W杯から帰ってきた主力選手をバラエティー番組に引っ張り出し、お笑いタレントとトライ対決までやらせていたのは、その典型だ。
「私たちが子供の頃は、スポーツ選手は憧れであり、横綱やプロ野球の監督は尊敬の対象だった。だから一流企業の社長も、彼らから学ぼうとしたものです。今は、みんなタレントみたいになってしまった。経営者たちから、プロ野球の監督に学べという声も聞かれなくなった」(前出・菅野氏)
相撲道や野球道という言葉はすでに死語同然だが、様変わりするスポーツ界にがっかりするファンは多いのだ。バラエティー番組でおもちゃにせず、アスリートをきちんとリスペクトしたらどうなのか。