日本代表vs韓国代表 もはやライバルとは呼べない関係に
両国選手の立場の変化も、ライバル関係に水を差している。
「日本と韓国が本当のライバルとなったのは、1992年にハンス・オフトが代表監督に就任してからです。それまでの日本は、フィジカルで圧倒される韓国に負けじと、朝から晩まで選手をしごいた。でも、オフトが組織論を持ち込んだことで、日本人の特性を生かしたテクニカルなサッカーができるようになりました。就任翌年のワールドカップ予選では、五輪の予選も含めて初めて韓国に勝っています」
当時の韓国代表で中心選手だった洪明甫は、「いつの間にか日本はアジアで最もテクニカルなチームになっていた」と、衝撃を受けていたという。それから両国は“負けられない戦い”を繰り返してきたが……。
「現在はお互いに特別な相手ではなくなりつつあります。選手間の交流が、昔と比べものにならないほど密になっているからです。かつては日本のチームに所属しているというだけで国賊扱いでしたが、今はJリーグで成長している韓国人選手が少なくありません。反対に韓国に渡った日本人選手もいるし、欧州ではチームメートというケースもある。そもそも試合だって2年以上してません。最近は豪州の方がライバル関係に近いですね」
12月16日、日韓は久しぶりに対戦する。熱のこもった試合を期待したいが、さて、どうなるだろうか。