貴景勝は1面だが 白鵬Vの記事がスポーツ紙9面なのは当然だ
春場所千秋楽の翌朝の某スポーツ紙1面トップは「貴景勝大関確定!」。
そうか、よう頑張った。2桁勝てば大関だと言われてたしな。千秋楽にカド番大関の栃ノ心を負かして、入れ替わり大関か。栃ノ心も来場所、再起をかけてひとつ、頑張ってもらいたいもんだで……。
で? 白鵬は全勝優勝したんだろ? どこに書いてあるんかしらん? めくってもめくっても出て来ねえ。おお、あった、なんと9面!
プロ野球オープン戦も、春の選抜も、羽生結弦も、スキージャンプの小林陵侑も、シアトルに帰ったイチローも、あらかた大きく扱って、さあ、もうないな? よっしゃ今日はこれぐらいにしといてやるか。お疲れさん、焼きトンでもせせりながら一杯やるかぁ? とバンと机をたたいて立ち上がった編集長へ入社1年目の駆け出し記者クンが、おそるおそる進み出て、
「あのう……まだ、白鵬が……」
「そっかぁ、白鵬な。じゃおめえ書いとけ」
となったかどうか知らん。平成最後の場所に横綱が42回目の優勝を全勝で飾った。しかも! 土俵下に転げ落ちて右腕を負傷して立ち上がるのもやっとで、支度部屋に戻って「切れてる。ダメだ!」と悶絶して、ようやく表彰式に出て来て賜杯を受け取るのも介添えがいるほど。どうだ劇的なる全勝優勝を成し遂げた横綱の世紀の「クワダテ」だったんだぞ。それが9面かい? クワダテの仕上げに優勝インタビューで(ま、以前バンザイ三唱して嫌われたし)今度は三本締めで「よ~~っ!」てやっちゃった。