【追悼】元横綱2代目若乃花「毎晩2升飲んでりゃ倒れるよ」と自嘲した親方時代
相撲協会は18日、元横綱の2代目若乃花幹士氏が16日に肺がんで死去していたことを発表した。享年69歳。近年は大阪の施設で闘病生活を送っていた。
青森県出身。現役時代は美男子力士として、老若男女問わず幅広い人気を集め、1978年5月場所後に横綱昇進。師匠の初代若乃花の名前を継承した。優勝は大関1回、横綱3回の通算4回。当時、土俵には「憎らしいほど強い」横綱・北の湖が君臨しており、優勝回数を伸ばせなかった要因と言われている。
時事通信で長く相撲を担当し、日刊ゲンダイのコラム「蘇る角言」でもおなじみの若林哲治氏が言う。
「均整の取れた柔らかい体つきで懐も深く、奇麗な左四つが武器でした。威力と美しさを兼ね備えた上手投げにも驚かされました。千代の富士も上手投げが得意でしたが、あちらは攻めて攻めて、土俵際で繰り出す。若乃花のように、土俵の真ん中で上手投げを決められる力士はまれです。力士としては同郷の同門で、同じ夜汽車で一緒に上京した隆の里のことを終生ライバル視していた。隆の里が伸び悩み、自身はスピード出世を重ねる中でも『ライバルは隆の里』と言っていました」