著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

脳みそにかび生えたじじいよ 大谷翔平は「タレント」ぞ?

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 投手か野手か2つしかなかったメジャーリーグの選手登録に、とうとう「二刀流枠」というのができた。両方やる選手OKですからどうぞ! ってこった。

 アメフットなどに人気を奪われて人気が落ち目のMLBへ、海を渡ってきた日本の若者が、二者選択しかなかった古くからの野球の常識をひっくり返したのだ。これをきっかけに両方やれるなら野球やってみっぺかな~って子が増え、野球市場が広がるとメジャーが本腰を入れ出したのだ。 

 3Aにゃ二刀流やらせろって若いのが増えとる。広いアメリカにゃ、「オクラホマからオクラホばせながら野球やらせちくれんね。ガキん頃から遠投得意。平べったい石ば川に投げち、20回ピョンピョン跳ねるばい。サイドスローでトルネードんごたる魔球はオクラホマミキサーち呼ばれちょったったい!」てな肩自慢も出てくっぞ。

 中南米の海んちゅからは「モリ投げたら百発百中の鉄砲肩、今まで突いた大魚は数知れず! モリも投げるし網も打てる二刀流だ!」なんてガキも現れっぞ。

 日本だけボヤ~ッとしてる場合か。今じゃサッカー小僧にテニス小僧に卓球小僧までブイブイ言わせる時代だ。かび生えまくったアタマそのまま、「プロをなめちゃいかんね。どっちかに絞らにゃ、走ってないからケガをする、オレらの頃は水は飲むな、二日酔いでも走れ走れ、一升瓶に砂詰めて振り回せ、それで首位打者7回取ってんだから」が自慢のくそじじいが幅ぁ利かせて、「キャッチボール始めたのティー打撃始めたの、野球選手は活躍してからニュースにしなさいよ。タレントじゃないんだから」てなことをコイたそうな。

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