スコットランドに快勝 “26歳ベテラン”岩渕が見せた存在感
剣が峰のチームを救ったのは、26歳にしてW杯出場3回目の“ベテランFW”岩渕真奈だった。
2011年ドイツW杯で世界女王、15年カナダW杯準優勝のなでしこジャパンは、開催中のフランスW杯初戦で格下のアルゼンチンと想定外のスコアレスドロー。14日の2戦目スコットランド戦に負ければ、グループリーグ敗退の屈辱にまみれる可能性大だったが、前半23分に弾丸シュート。ベビーフェースは10代の頃から変わっていないが、チームを牽引する主軸選手としての存在感を示した。
初代なでしこ専任監督の鈴木良平氏が言う。
「前に! 前に! という岩渕の積極姿勢がチームメートに伝播。攻守がガッチリ噛み合い、これが勝利の大きな要因となった。W杯では途中出場しか経験がなく、先輩選手の陰に隠れてばかりいるイメージの強い岩渕だが、チームを引っ張っていく選手に成長した」
アルゼンチン戦が勝ち点1に終わり、一部メディアから「選手選考も采配もデタラメ」「解任論噴出」と批判された高倉監督だが、チーム最年少の19歳FW遠藤をスコットランド戦に先発させる大胆起用。その遠藤が岩渕の先制点をお膳立てする<股抜き>アシストを記録。指揮官の期待に応えた。
「現役時代から目立ちたがり屋の女王様キャラだったが、なでしこ代表監督に就任した時分から<聞く耳>を持つようになった。チーム掌握術にも役立っている」(サッカー関係者)
高倉なでしこジャパンが息を吹き返した――。