【鼎談】釜本邦茂×六川亨×中山淳 森保日本W杯8強の可能性と優勝国を3人の論客がズバリ
六川「決定力の高い三笘はジョーカーで起用」
──W杯最終予選では三笘の活躍も際立った。
六川「決定力の高さから<先発で使うべし>という声もあるが、後半途中の<何としても得点が欲しい>という局面でジョーカーとして起用するのがベスト。もちろんプレースタイルは研究されているが、それでも彼のヌルヌルドリブルは効果絶大。カタールでも得点に絡んでくれるだろう」
釜本「確かに後半途中からの出場がベターと思うが、もう少し出場時間が長くてもいい。せめて30分はプレーさせたいね」
──長らく日本代表の1トップを務めてきた大迫がトップフォームを維持できず、年齢的な衰えにも悩まされている。代役は誰になるのか。
釜本「万能型CF大迫のメンバー外が話題となったが、肉離れ系の故障を抱えている場合、無理強いさせることのリスクが大きい。万全な状態だとしても、そもそも全盛期のプレーを期待するのは酷ではないか、と個人的には思っていた」
六川「早稲田大で釜本さんの同期・元日本代表DFの大野毅さんから『釜本は日本代表の日程が忙しく、なかなか大学の練習に来れなかった。来ても右45度からのシュート練習ばかり。でも試合になるとDFを背負って胸トラップから反転してシュート。ゴールを決めて勝たせてくれた。チーム戦術=釜本だった』と聞いた。一人でゴールを決めてしまう釜本さんはポーランド代表のエースFWレバンドフスキのイメージに重なります。しかし日本代表には釜本さんがいないのでFWの周辺の選手が汗をかきながら走り回り、ゴールをお膳立てすることになる」
中山「スピードスター系FWの前田や浅野は、なまじ足が速いのでMF陣との距離が一気に近づいたり、遠ざかったり、連動性という面で難しい部分がある。本大会までにどう解消するのか、気掛かりなポイントです」
釜本「鹿島からベルギーに移籍した上田には期待していた。頑丈なフィジカルで前線でキープしたり、DFの背後をサッと突いたり、ミドルレンジから強烈なシュートも打てる。ただしストライカーに必要不可欠な『点を取るのはオレに任さんかい!』という気概が伝わってこないのが残念だ」