【鼎談】釜本邦茂×六川亨×中山淳 森保日本W杯8強の可能性と優勝国を3人の論客がズバリ
釜本「ネイマールがゴール量産ブラジル優勝」
──海外に目を向けると優勝争いはどんな展開になるのか。
釜本「優勝はドイツかブラジルと予想する」
中山「02年日韓W杯決勝は、その両国の組み合わせでした。ブラジルがFWロナウドの2ゴールで2-0と快勝。5回目の優勝を果たした。ドイツの守護神カーンの寂しそうな姿が印象的でした」
釜本「ドイツは全ポジションに有能なタレントをそろえているのが強みだが、エースFWのネイマールがゴールを重ねてブラジルを決勝に導き、最終的に優勝カップを掲げると予想する」
六川「優勝は、選手個々の能力が非常に高いフランスと見ます。チームに一体感があれば、というただし書き付きですが。決勝の相手はGLのA組でホスト国カタール、セネガル、エクアドルと対戦するオランダが出てくるのでは。GLで<全力投球しないでも勝利が見込める>相手に主力を温存しつつ、決勝トーナメントに進めるというアドバンテージは大きい」
中山「メッシ・アルゼンチンとネイマール・ブラジルとの南米決戦と言いたいところですが、GL1位通過で勝ち上がれば準決勝で対戦します。絶好調メッシがアルゼンチンを決勝に導き、クリスティアーノ・ロナウド率いるポルトガルと決勝で激突。一時代を築いたスーパースター同士が火花を散らし、メッシに優勝カップが渡ると予想します」
■釜本「横パスをインターセプトされないように注意すればドイツにも勝機あり」
──ドイツ戦、コスタリカ戦、スペイン戦と森保ジャパンはどんな戦い方をすべきか、3試合の試合結果はどうなるのか。
釜本「日本サッカーのアキレス腱は、どの局面でもボールをつなぐことにきゅうきゅうとしてしまうこと。ドイツ相手に中盤で横パスをかっさらわれ、インターセプトされた場合は一気にピンチを迎える。この不用意な横パスに注意しながら、アグレッシブに戦ってドイツとコスタリカに連勝すれば、スペインに負けても2勝1敗でGLを突破できる」
■六川「ノラリクラリのスペインにてこずる」
六川「元日本代表アギーレ監督が『日本にはラテンサッカーにあるマリーシア(狡猾さ)に欠けている。競争心のレベルも異なる』という趣旨の発言をしていたが、その通りだと思う。堅実なサッカーを仕掛けてくるドイツよりも、ノラリクラリのスペインにてこずると思う。ドイツと引き分けた後にコスタリカ相手に勝利し、スペインには勝てないと予想します」
■中山「日本は1分け2敗で中東の地を離れる」
中山「ドイツ相手に小細工なしで正面からぶつかっていき、目まぐるしい攻防を展開して見どころタップリの試合になると思います。でも結果はドイツが総合力の差を見せつけて4-1など大差勝ちするでしょう。コスタリカは格下と思われがちですが、粘り強い守備に攻めあぐんだ挙げ句にスコアレスドロー決着とみます。1分け1敗の日本は、スペイン相手に善戦むなしく0-1で逃げ切られ、1分け2敗という結果を残して中東の地を離れると予想します」
──GLは中3日の強行軍。決勝トーナメント以降もタイトな日程です。勝ち上がるためには、疲労回復も大きなテーマとなる。
釜本「早稲田大4年の時に出場した66年のアジア大会(タイ)は、10日間に7試合の強行軍。4日連続と2日連続が1回ずつあった。中3日の試合か……。ちょうどエエ感じのペースでプレーできるんじゃないかな」
六川、中山「いえ、なかなかキツいと思われますが……。森保ジャパンの奮闘を祈っています!」
(構成=絹見誠司/日刊ゲンダイ)