【鼎談】釜本邦茂×六川亨×中山淳 森保日本W杯8強の可能性と優勝国を3人の論客がズバリ
中山「絶好調・鎌田の主軸復帰を歓迎したい」
──独フランクフルトの鎌田は昨季EL制覇の立役者だったが、W杯最終予選終盤はメンバー外となった。復帰後の9月米国戦のトップ下で存在感を見せつけ、今季欧州CLでは11月1日のスポルティング戦でCL3試合連続弾を決め、チームの決勝トーナメント進出の原動力となった。
釜本「サイズ(身長180センチ・体重72キロ)もあるし、スペースを突く、ラストパスを出す、ポストをこなす……とオールマイティーな攻撃系選手として欠くべからざる選手となった。何よりも<ここでボールを受けたらシュートに持ち込める>という位置に侵入していくタイミングが絶妙。表情もプレースタイルもひょうひょうとしており、およそゴールを量産するような雰囲気はないが、日本が決勝トーナメントに進めるかどうか、その行方を握っている選手となった」
六川「鎌田はフランクフルトで3列目のボランチでプレーしているが、機を見てスルスルッと攻め上がり、ゴールに絡んでいくプレーも際立っている。<今が旬>の鎌田にはトップ下を主戦場にしつつ、ポジショニングなど<ある程度の自由>を与えてプレーさせたい」
中山「システムも戦術も大事ですが、まずは<選手のポテンシャルを生かすことが大事>という意味での鎌田の主軸復帰を歓迎したい。鎌田のストロングポイントに<ボールを安心して預けられる>がある。ドイツやスペインを相手に劣勢を強いられた局面で<ボールを収めてくれる>鎌田がいることでチーム全体に余裕が生まれる」
──森保ジャパンで最多得点の「背番号10」南野が9月のドイツ遠征・米国戦の先発を外れた。
釜本「森保日本発足時には左の中島、トップ下の南野、右の堂安が<三銃士>と呼ばれてもてはやされたものだが、左サイドで起用されるようになると<自分で何とかしなければ!>という思いがマイナスに働き、序列も下がってしまった」
中山「南野は<トップ下鎌田の控え>という立場を自覚し、後半に出番が回ってきたらゴール、アシストなど結果を出すことに集中すべき。CF大迫が絶好調だった頃、南野は大迫の周囲を流動的に動き回り、俊敏性を生かしてゴールに絡んでいった。左サイドで起用されているうちにペナルティーエリア内での得点感覚もさび付いた」