巨人阿部監督が就任1年目V目前だから…「2人だけの秘密」明かします【巨人元バッテリーコーチ秦真司氏が証言】

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「ミーティングが細かくて長い」と苦情

「秦さん、リードって難しくないですか? めちゃくちゃ迷うから『サインを出すイップス』になりますよ。何を出したらいいのか分からなくて、最後は出せなくなったことがありますから」

 リードにセオリーはあっても、正解はない。「抑えたものが正解」である。

「確かにそうだな。サインもそうだけど、ジャイアンツで正捕手、主将、4番打者。マスコミは多いし、周囲の期待は大きいし、勝たないといけない重圧もあるだろう。困った時は何でも言ってくれ」

 2人だけでミーティングを開き、不満やグチを聞くこともあった。ここで決めたことがある。

 試合中、大事な場面で慎之助からアイコンタクトされた際には、私がベンチから配球のサインを出すこともあった。

「もし打たれたら俺のせいにすればいいから」

 これは2人だけの秘密で、実は原監督にも知らせていなかった。しかし、投手コーチにバレて原監督の耳に入った。

「お前、慎之助にサイン出してたの? 知らなかったけど」

 チクリと言われたが、「止めろ」とは言われなかった。慎之助に頼られる限り、サインを出し続けた。 

 慎之助はこの12年に初の打撃タイトルとなる首位打者、打点、最高出塁率のタイトルを獲得し、セ・リーグMVPに選出された。

 慎之助は巨人でもトップクラスの酒豪で、焼酎をずっと飲み続ける。遠征先の札幌で行われた「捕手会」は無礼講で、何を言ってもいい会だった。この時、「秦さんのミーティングは細かくて長いんですよ。試合前なんだから、もっと短くしてくださいよ」と強めに抗議されたことがある。話が長いのは認めるが、当時はコーチとして伝えたいことがいっぱいあった。今年から現場のトップとなった阿部監督のミーティングは短いのだろうかーー。(談)

  ◇  ◇  ◇

 阿部監督の投手起用は、原前監督のそれとはまったく異なっていて、巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏(評論家)も「腹が据わっている。大した肝っ玉」と絶賛している。いったい何がどうスゴいのか。

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