広島・菊池涼介「僕らは打たなきゃと気負い、投手は力む。今年は打線が投手を助けたい」
大補強巨人は田中将大より終盤
──だんだんコーチ目線になってきた?
「僕も14年目だから、だんだんそうなりますよね。若手がみんな目をギラギラさせて練習をやっているので、まだ負けないぞと思ってやっています」
──先発の九里がオリックスへ移籍した穴は大きい? ドラフト1位で入って2年目の常広羽也斗がシート打撃で登板して目立っていた。
「常広、めちゃくちゃいい球投げるでしょう? 投手は誰かがいなくなっても誰かがパンと入ってくる。今一軍に来ている新人(ドラフト2位・佐藤柳之介=富士大、同3位・岡本駿=甲南大)もいいボールを投げているし、うちは強い球を投げる若手がいっぱいいます。コーチ目線ですけど(笑)」
──(5日までに)自身は投内連係やシートノックなどに加わっていない。36歳の秋山翔吾と2人は独自調整が許されている?
「そうですね。若い選手が振りまくっているので、僕もウズウズしてきます。アキさんと2人で室内でマシン打撃をやったり、バットを振るようにしています。本当はノックをしてもらって守備をやりたい時もあるんですけど、人が少ないし、若手の練習の邪魔はできない。空いている場所で、できることをやる。投手が走っていたら一緒に走ることもあるし、第1クールは何をやるべきか、自分で組み立てながら調整しています。『お任せ』って責任が伴いますから」
──昨季リーグ優勝をさらわれたライバル巨人が、オフにライデル・マルティネス、甲斐拓也、田中将大らを総額70億円で補強した。
「ヤバいでしょう! 『マー君の魔改造』ばっかり話題になっているけど、実際は後ろ(八、九回)が大勢、マルティネスで盤石になっちゃったのが、カープ的には大問題です(笑)」
──ただ、昨季15勝の菅野智之がメジャー移籍で抜けた穴は小さくない。
「菅野の穴は大きいですよね。巨人のリリーフ陣はすごいけど、先発はどうなんですか? 頭数はどうなんですか? でも、いいリリーフ投手が2人いると、五回まで投げればいいや、みたいに、先発が最初から飛ばしていけるメリットはありますよね」
──巨人戦はどう戦う?
「厳しい戦いになりそうですけど、巨人戦は後半勝負にならないように、先制パンチを食らわせて、カープの流れで戦える試合を増やすことかな」
──昨季はDeNAが日本一。どこがライバルになりそう?
「もちろん巨人は倒さないといけないですけど、ここっていうのはないかな。阪神も強そうだし、毎年分が悪いのは(24年最下位)中日(8勝16敗1分け)なんで、結局全部です(笑)。昨年だって勝てた試合が結構あった。あと1点、2点が取れていたら……というロースコアで負けた試合が多かった。巨人は倒したいけど一戦必勝。今年は打って投手陣を助けます!」
(聞き手=増田和史/日刊ゲンダイ)
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日刊ゲンダイは今春キャンプで、記事本文中にも登場する巨人の「魔改造コーチ」を直撃。その口から語られた田中将大の現在地、復活への勝算とはーー。
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