永田町の裏を読む
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衆院解散は本当に「首相の専権事項」か? 始まりは吉田茂の「憲法第7条」歪曲解釈だった
岸田文雄首相が通常国会終盤にかけて思わせぶりな言動を小出しにして「解散風」を吹かせ、与野党もマスコミもそれにブンブン踊らされて、政策や法案の中身などそっちのけになる中で国会は閉会。結局、その風はただ…
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制度のお粗末さが次々露呈…マイナンバーカードの問題は始原から出直すべきだ
マイナンバーカード制度のお粗末さが次々に露呈し、最初は笑って済ませていたのが次第に怒りとなって広がっている。 私の友人の中にも「こうなったら意地でも取得しないぞ。申請しないと逮捕すると言われ…
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無能な幹事長交代が唯一の好材料という岸田政権の情けない先行き
岸田文雄首相がベストシナリオとして描いてきた、G7広島サミットの「大成功」を弾みにして今国会会期末に解散・総選挙を打ち、政権基盤を固めなおすという案は無残に消え去った。 G7そのものがお粗末…
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バイデン大統領の重大発言をスルー…日本の大メディアは米中対立を望んでいる?
先般のG7広島サミットをめぐる報道で気になっていたことが2つあり、1つはバイデン米大統領の挙動不審。いくつかの会議や晩餐会を途中退席して電話をかけまくっていて、当時はまだ連邦政府の債務不履行問題が未…
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実体のない「中道」という名の幽霊を追いかけて迷走する永田町政治
近ごろ永田町に盛んに出没して各党にまとわりついているのは、「中道」という名の幽霊である。 日本維新の会は政策面で国民民主党と足並みをそろえる場面が増えていて、5月末にはLGBT理解増進法案を…
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公明党が東京で自民党と選挙協力解消 その裏に日本維新の会との取引があるのか
公明党が東京での次期衆院選、25年都議選などでの自民党に対する選挙協力を解消するという強硬方針を打ち出した裏には、日本維新の会との密約があるのではないかとの観測がもっぱらである。 現在、公明…
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広島サミットはどういう物差しで測れば「成功」だったのか
広島G7サミットが成功だったか失敗だったかは、どういう物差しを当てて測るかによる。 カナダ在住の91歳の被爆者サーロー節子は「失敗だった」と言う。同サミットがまとめた「核軍縮に関する広島ビジ…
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立憲民主党が「次期衆院選で150議席」は夢のまた夢か
立憲民主党の泉健太代表が5月10日の両院議員懇談会で、「次期衆院選で150議席以上獲得できなければ代表を辞任する」と大見えを切った。同党のベテラン議員に感想を聞くと、「現有97ですからね。今の実力か…
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憲法論議がいまひとつ盛り上がりに欠ける3つの理由
今年の5月3日(憲法記念日)前後の憲法論議は、いまひとつ盛り上がりに欠けたという印象がある。第1の理由は、改憲の旗振り役だった安倍晋三元首相の不在だろう。 2013年の「96条お試し改憲」論…
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統一地方選と衆参補選の低投票率、無投票当選に考える「民主主義とは何なのか」
今回の統一地方選、衆参補選の結果を見て改めて驚くのは、投票率の低さである。 4月9日投開票の前半戦では、9道府県知事選が平均46.78%、また41道府県議選が41.85%で、いずれも過去最低…
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統一地方選で維新が躍進しても自公連立政権が続く本当の理由
統一地方選の前半では日本維新の会の躍進が目立った。本拠地の大阪では、すでに過半数を握っていた府議会に加え市議会でも初めて過半数を獲得。加えて北海道や関東、四国、九州の13道県での初議席を含め地方議員…
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高市早苗大臣が表舞台から消え去り、残された放送法の解釈問題
4月9日投開票の統一地方選第1弾の結果の中で、直接に政局に影響があるのは、奈良県知事選だろう。同県連会長の高市早苗=経済安保相が、自分が総務相時代に秘書官だった元総務官僚を新人として立候補させると決…
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「戦闘的リベラル」の気風を持っていた鈴木邦男さんとの思い出
日曜日に「鈴木邦男さんを偲び語る会」が開かれ、私も発起人のひとりとして出席した。言わずと知れた新右翼団体「一水会」の初代代表で、極右から極左までの幅広い交友を背景に独特の反権力論調を繰り出して多くの…
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「自由に意見を述べる権利」はあっても上部がそれを黙殺する共産党
3月25日付「毎日新聞」電子版が、共産党のあり方を憂える内容の本を出版した2人の古参党員を同党が相次いで除名したことについて、「こうした強硬姿勢には党内から疑問の声も出て」いて「無党派だが共産党に投…
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「袴田事件」再審開始 この国で冤罪事件がたびたび起こる原因を改められるのか
「袴田事件」の裁判やり直しを認めた東京高裁の決定に対して、検察当局は20日、特別抗告を断念した。今後開かれる再審で無罪となることはほぼ確定的である。 周知のようにこの事件は、1966年に静岡県…
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3.11から12年…なお福島に押し付けられる政府・東電「原発事故のツケ」
3.11から12年という日を迎えて、最も腹立たしいのは、故安倍晋三首相がブエノスアイレスで全世界に向かって放った大嘘とは反対に、放射能汚染水は今なおコントロール不能なほどの勢いで増え続けていて、政府…
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岸田首相が願望するサミットの「成功」とは何なのか
昨秋来、内閣支持率の低迷にあえぐ岸田文雄首相は、5月に広島G7サミットを派手に演出して政権浮揚のきっかけを掴むことに懸けているといわれる。彼が願望するサミットの「成功」とは何なのか、旧知の元外交官に…
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存在感をジワリ高める自民党・石破茂元幹事長の「日中積極外交」論
石破茂=元自民党幹事長の存在感が(ジンワリとではあるが)上がっている。先々週の衆院予算委員会で久々に質問に立ち(ヤンワリとではあるが)岸田内閣の議論抜きの防衛費倍増計画を批判し、さらに先週の「サンデ…
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「リベラル」と「左翼=旧革新」は全く別の概念である5つの理由
先々週に文化放送の「大竹まことゴールデンラジオ!」に出演したところ、番組パートナーの室井佑月が、私がどこかで「リベラルと左翼=旧革新の違い」について語っているのを読んで「目から鱗」の思いをしたと言う…
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いまや永田町は骸骨や亡霊が跋扈する「ゾンビ村」と化しつつある
先週発売された「安倍晋三回顧録」(中央公論新社)で安倍晋三が「財務省が私を引きずり下ろそうと画策した」、森友学園事件も「私の足をすくうための財務省の策略の可能性がゼロではない」と語っているのを知って…