企業深層研究
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日本銀行<上>4月に任期満了で「ポスト黒田」が動き出す
株価は3万6000円前後――。日本銀行(証券コード8301)はジャスダック市場に上場している。最初の上場は1949年で東証1部だった。今風にいえば、日銀は日本を代表する「1部上場企業」で、黒田東彦総…
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トリドール<下>製麺、天ぷら…こだわり店内調理で差別化
前回(10日付掲載)で触れたように外食産業を巡る環境は厳しい。人件費の上昇と原材料費の高騰が収益を圧迫する。そのため、多くの外食チェーンが値上げに踏み切った。しかし、丸亀製麺を運営するトリドールホー…
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トリドール<上>丸亀製麺が値上げせずとも業績好調の秘密
年末年始にハワイに遊びに行った人も多いに違いない。そのハワイで、常に行列のできている繁盛店が「丸亀製麺ワイキキ店」。日本に800店弱を展開するセルフうどんチェーン丸亀製麺の海外1号店だ。ワイキキ店の…
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三菱マテリアル<下>土壌汚染を隠しマンション販売の過去
三菱マテリアルは、1990年に三菱鉱業セメントと三菱金属が合併して誕生した。三菱鉱業セメントの前身は三菱鉱業。三菱鉱業の金属部門を継承して戦後、設立されたのが三菱金属だ。つまり、旧三菱鉱業が素材メー…
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三菱マテリアル<上>不正公表の遅れ…隠避体質が浮き彫り
子会社3社が製品の検査データを改ざんしていた三菱マテリアルは12月19日、3社のうち三菱電線工業で新たな不正が判明したことを発表した。携帯電話の電子部品などに使う平角マグネットワイヤで性能データ改ざ…
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大林組<下>談合で指名停止のペナルティーが待ち受ける
高度経済成長期は大物“仕切り屋”の時代だった。中央談合組織「経営懇話会」の会長を務めた飛島建設会長の植良祐政には談合の総元締という称号がついた。建設族のドン・田中角栄元首相と強い結びつきがあったから…
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大林組<上>リニア不正入札疑惑 談合認める社風がアダに
談合の大林組は健在なり――。 JR東海が発注したリニア中央新幹線の関連工事の入札で不正があったとして、東京地検特捜部は12月8~9日未明、偽計業務妨害の疑いで大手ゼネコン大林組の本社などを家…
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コメ兵<下>新アプリで“爆買い後遺症”からの脱出を図る
中古品流通大手のコメ兵は、中国人観光客の爆買い終了によって大きな打撃を受けた。何しろ一時は売り上げの15%を外国人客に頼っていた。それがなくなったことで業績は一気に悪化、2017年3月期の最終利益は…
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コメ兵<上>中国人の“爆買い”終焉が大打撃のリサイクル店
今年の外国人訪日者数は、11月4日の時点で、過去最高だった昨年の2403万人を上回った。このままいけば、2800万人を軽く上回ることになりそうだ。 国別トップは中国で、全体の4分の1を占める…
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武田薬品<下>外国人社長の誕生で日本人幹部は少数派に
2014年6月27日、武田薬品工業は定時株主総会を開いた。1781(天明元)年の創業以来、初めて外国人社長を選ぶという歴史的な総会だ。英製薬大手グラクソ・スミスクライン出身のフランス人、クリストフ・…
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武田薬品工業<上>3度目の挑戦となるか 海外M&Aの成否
武田薬品工業は3度目の海外大型M&A(合併・買収)に勝負を懸ける。 米ナスダック上場で、がん治療薬を手がける製薬会社、アリアド・ファーマシューティカルズ(マサチューセッツ州)を54億ドル(約…
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産業革新機構<下>設立を主導した「JDI」の経営は泥沼化
産業革新機構による日の丸液晶メーカー、ジャパンディスプレイ(JDI)への支援は行き当たりばったり。袋小路に迷い込み出口が見えない。 革新機構は2009年7月、先端産業の育成を目的に生まれた。…
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産業革新機構<上>東芝メモリ争奪戦の陰の主役だった
東芝は米投資ファンド、ベインキャピタルを中心とする日米韓連合と半導体メモリー子会社・東芝メモリの売却契約を結び、10月24日に開催した臨時株主総会で承認された。売却額は2・1兆円。混迷を極めた争奪戦…
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神戸製鋼所<下>現実味を増してきた「事業再編シナリオ」
神戸製鋼所はメーカーでありながら、ものづくり出身者はトップになれなかった。このような特異な企業体質が形成されたのは、1969~70年代に起きた内紛劇による。 神鋼は尼崎製鉄(尼鉄)を吸収合併…
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神戸製鋼所<上>不正隠蔽の代償「賠償金」請求に苦しむ
神戸製鋼所が11月10日に公表した検査データ改ざん問題の報告書は、最終的な結論を外部調査委員会に丸投げするという、全く不十分なものだった。それでも、収益評価に偏った経営と閉鎖的な組織風土、品質軽視の…
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石川製作所<下>防衛機器と段ボール関連が経営の2本柱
創業は1921(大正10)年。石川県金沢市で直山与二氏が石井鉄工所を起こし、繊維機械の部品製作を始める。これが、石川製作所の原点だ。 38(昭和13)年に現在の社名に変更、戦時中は海軍の水中…
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石川製作所<上>防衛関連の代表銘柄が急騰する不気味さ
9月22日。株式市場が不穏な空気に包まれた。 米大手運用会社のブラックロックが石川製作所(東証1部)の株式を5・36%保有しているとする大量保有報告書を関東財務局に提出したためだ。 …
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三菱UFJ信託銀行<下>M&Aを駆使して巨大外資に挑む
来年4月に、法人向け融資業務の三菱東京UFJ銀行(BTMU)への移管を予定している三菱UFJ信託銀行(以下、三菱信託)。 三菱信託にとって法人向け融資は収益の大きな柱だっただけに、移管に当た…
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三菱UFJ信託銀行<上>2本柱どうなる 住宅ローンから撤退報道
最近ではテレビCMもよく見るようになったが、それでも信託銀行は一般の人にはなじみの薄い存在だ。 信託銀行は、日本独自の存在で、「信託」「銀行」の2つの業務からなる。銀行業務は、他の銀行と同様…
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アサツーディ・ケイ<下>高額配当金を続けた裏事情とは?
アサツーディ・ケイ(ADK)は1999年に旭通信社と第一企画が合併して誕生した。 旭通信社を一代で築いた故稲垣正夫は広告業界の有名人だ。 「大手と同じことをしていてはダメだ」との大方針…