貧困と右傾化の現場から
-
「コンビニ外国人」芹澤健介著/新潮社760円+税
コンビニや居酒屋で外国人店員を見ない日はない。厚労省の集計では、昨年10月の時点で外国人労働者は128万人、この10年で2・6倍に増加している。知識労働者は別として、日本に外国人の単純労働者は1人も…
-
伴侶をなくすと自宅が凶器と化す
前著「未来の年表」で「人口減少カレンダー(2017年~2063年)」を提示し、世に衝撃を与えた著者による続編。カレンダーの2018年の項には、たとえば「75歳以上人口が『65~74歳』人口を上回る」…
-
歴史修正主義の発生と増殖の秘密を解明
冷戦が終結した1990年代の日本では「新しい歴史教科書をつくる会」の発足や、小林よしのり「戦争論」のベストセラー化など、日米戦争の意義や「従軍慰安婦」と南京虐殺事件の有無などを焦点とした歴史修正主義…
-
日本を従属させる「第2の国体」の終焉へ
「永続敗戦論」で注目を集めた著者による新著である。どのような敗北を喫したのか自覚しえない結果、敗北状態からの脱出が不可能化された永続敗戦体制が、本書では戦後日本の第2の「国体」として論じられている。 …
-
サブカル作品で論じる資本主義の破局
資本主義が破局に向かっていることを予感しながら、それが具体的にどのように終わるのか、われわれは想像することができない。人類の滅亡や地球生態系の破綻なら想像可能であるのに、これは奇妙な事態ではないか。…
-
レフト3.0政策はは「経済にデモクラシーを」
日本の左派は、護憲などの政治運動やマイノリティーの人権擁護には熱心だが、勤労庶民のための経済政策を持ちあわせていない。このことに批判的な論者たちの鼎談を収めた本書では、「経済にデモクラシーを」を主張…
-
アンダークラスの登場で階級対立が再来
階級論では人を職業や所得の源泉によって分類する。これまでは企業の役員や経営者などの資本家階級、農業など自営業者の旧中間階級、非雇用の管理職や専門職の新中間階級、さらに単純事務職、販売職、サービス職、…
-
男性/若年/非大卒/=「レッグス」に負の遺産が集中
イギリスやフランスでは、ワーキングクラスとミドルクラスの階級対立が深刻だ。アメリカ社会は複数のエスニシティー集団に分断されている。「一億総中流」の日本社会は比較的均質で、社会集団間の対立も少ないとい…