上方風味 味な本
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「関西で飲もう」太田和彦著
この文庫は関西のグルメ誌「あまから手帖」の連載であり、大阪・京都・神戸の「居酒屋」「割烹」「バー」と、それぞれ約1年間の連載を集めて一冊にしている。 太田和彦さんは居酒屋の本を何十冊も書いて…
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「山崎豊子読本」新潮文庫編集部編
もちろんのことだが、山崎豊子さんのことは大阪を抜きには語れない。 山崎さんは大阪商人発祥の船場の古い商家のご出身であり、身体これすなわち大阪である。だから山崎さんの「大阪もの」はずばぬけてお…
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「大坂堂島米市場」高槻泰郎著
商品先物取引などやったこともないし、なんやようわからん、勝ち逃げ称賛のばりばりの金融資本主義と違うのだろうか。 そう思うのだが、「売りたい時に売れない、あるいは買いたい時に買えない状態を、当…
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「神戸の歴史ノート」田辺眞人、谷口義子著
大都市としてのミナト神戸を捉えるときに、「兵庫」という2文字の意味が大きく変わる。 すなわち神戸は、古代からの難波津つまり大坂の外港として「兵庫津」のあった都市であり、その意味では大坂同様の…
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「西成山王ホテル」黒岩重吾著
「西成山王」という場所を口にしたり目にしたりして、「にやり」とするご仁あるいは逆に顔をしかめる人は、多分「飛田新地」を思い浮かべたからだろう。 この本は1965年の単行本の文庫化であるが、ジュ…
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「重ね地図で読み解く京都1000年の歴史」谷川彰英監修
大阪の小中高の遠足は、京都に行くことが多い。目的地の大抵は神社仏閣であり、代表的なところでは八坂神社や清水寺、銀閣寺といったところであるが、クラスの中の歴史好きが、歩きながらところどころで、ここぞと…
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「山口組と日本」宮崎学著
プロフィルに「父はヤクザで土建業を営む寺村組組長」とあるように、著者はヤクザの世界から「もう一つの日本近現代史」を見ていく。その題材が大正4年に神戸に誕生し、戦前、戦後を通して日本最大の暴力団組織と…
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「グルメぎらい」柏井壽著
京都のグルメガイドを編集する際に、想定する読者は3種ある。 1つ目は完全な観光客。先斗町がどの辺りにあってどんな街だとかをまったく知らない読者。2つ目はJR京都駅と阪急の河原町駅の位置関係が…
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「大阪の教科書」橋爪紳也監修、創元社編集部編
表紙に入っているが「大阪検定公式テキスト ビジュアル入門編」である。 2009年に始まった「なにわなんでも大阪検定」は、大阪商工会議所が主催する「ご当地検定」であり今年、10回目を迎える。試…