大高宏雄の新「日本映画界」最前線
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大手のTOHOシネマズが「レディースデイ廃止」に踏み切った! 各社の動き、割引日は減る?
国内最大手の興行会社であるTOHOシネマズは、長年親しまれてきた映画館の割引サービス「レディースデイ」を、7月7日をもって終了した。レディースデイは女性のみの割引サービス(1200円)で、同社系列の…
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岡田准一は伝説のヒーローに!新作「ザ・ファブル」邦画アクションに新風吹き込む
映画の俳優が生き生きしているとうれしくなる。俳優が作品の面白さを引き出す。そこから、映画を見る醍醐味が何倍にも膨れ上がる。先週公開された「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」を見て、そう強く実感した。 …
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心震わせる「るろうに剣心」最終章史上初ワンツーの必然
興味深い現象が起きている。「るろうに剣心」シリーズ2部作の1本にして完結作である「るろうに剣心 最終章 The Beginning」(6月4日公開)と、前作「るろうに剣心 最終章 The Final…
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「いのちの停車場」公開は弔い合戦? 映連“抗議”の行方は
映画界が、怒りをにじませる様々な声明の発信を続けている。映画館の団体である全興連(全国興行生活衛生同業組合連合会)に続き、邦画大手4社で構成する映連(日本映画製作者連盟)は24日、6月1日からの「映…
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「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選2」の見どころを解説
ジャン=ポール・ベルモンドの作品(計5本)が見られる。5月12日からの新宿武蔵野館の営業再開に伴い、同14日から上映の運びとなった(同館を皮切りにテアトル梅田、名演小劇場、京都シネマ、シネ・リーブル…
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3度目宣言発令へ 劇場版・名探偵コナン“興収100億円”は?
「名探偵コナン 緋色の弾丸」が公開される前、配給を担当する東宝の関係者から、「(興行収入)100億円超えの手応えは十分にある。懸念は、新型コロナウイルスの影響だけだ」という話を聞いていた。2年ぶりシリ…
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田中邦衛さんは「日本一ももひきが似合う俳優」でもあった
俳優の田中邦衛さんが亡くなった。88歳だった。著名な俳優の逝去は人によって思いが異なる。1961年から始まった加山雄三主演の「若大将」シリーズの青大将がすぐに浮かぶ人。81年スタートのテレビドラマ「…
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草彅剛「ミッドナイトスワン」アカデミー賞2冠 なぜ実現?
先週発表された第44回日本アカデミー賞の受賞結果には驚いた。最優秀作品賞が「ミッドナイトスワン」、最優秀男優賞が同作品の草彅剛(46)だったからだ。 全く予想外であった。理由としては年末から…
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「ラーヤと龍の王国」興収1億円スタート Disney+に傾倒?
これは映画館の一種の分断状態だといっていいだろう。ディズニー作品「ラーヤと龍の王国」の上映館をめぐって、各興行会社は「上映」と「非上映」で対応が分かれた。 本作は、龍とともに王国を守ろうとす…
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「痛くない死に方」評判上々 宇崎と下元と高橋監督の結束
在宅医療の実情を描く「痛くない死に方」の評判がいい。在宅医療のスペシャリストである長尾和宏氏の著作の映画化で、柄本佑が主演している。監督はベテランの高橋伴明だ。 タイトルが実に意味深で、どの…
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菅田×有村“はな恋”予想外ヒット!単なる恋愛映画にあらず
菅田将暉、有村架純主演の「花束みたいな恋をした」が予想以上のヒットで、映画業界はちょっとした驚きをもって受け止めている。最終の興収では20億円超えも視野に入った。 映画館の時短営業などもあり…
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東宝はコロナ禍で前年比90%超…でもアニメ頼みでいいの?
「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」がなかったらと思うと、改めてゾッとするような昨年の映画界だった。 今週、2020年の映画興行実績が発表された。興収は1432億9000万円で、対前年比54.9%…
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2度目の緊急事態宣言は時短…“最終上映17時台”の影響は?
年明けから映画界は新型コロナウイルスによる苦難の道、試練のときを迎えている。昨年から続く何度目のことだろうか。もちろん、映画界だけの話ではない。多くの業種も同じである。今週、1都3県だった緊急事態宣…
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「100人が選ぶ松竹映画」で圧巻 なぜ山田洋次作品に集中?
松竹は今年、映画製作100周年を迎えた。創業は1895年だが、20世紀になって盛んになり始めた映画製作事業への本格的な参画を目指したのがちょうど100年前の1920年であった。それを記念して、同社は…
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小栗旬×星野源「罪の声」は共演陣の“瞬間芸”も素晴らしい
映画の話題は、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」ばかりではない。小栗旬、星野源主演の「罪の声」の公開が始まったことに注目してもらいたい。昭和の時代を震撼させ、いまだ多くの謎をもつ未解決事件を題材にした…
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劇場版「鬼滅の刃」大かぶり!興収200億円“射程圏内”の訳
歴史的な大ヒットスタートを切った「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」だが、今やどこまで数字を伸ばすかに注目が集まりつつある。その判断は現時点ではなかなか難しいところがある。それというのも、ここまで多くの…
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世界で最も“かわいい”大統領・ムヒカの言葉に見る日本の今
“世界で最も貧しい大統領”として知られたウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領のドキュメンタリーが公開されている。「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」(KADOKAWA配給)というタイトルをも…
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座席収容率「100%で飲食なし」「50%で飲食可」どっち?
全国の観光地が賑わいを取り戻した4連休のシルバーウィークだったが、映画界は直前に混乱せざるを得ない事態に直面した。政府や関係省庁による映画館のチケット制限販売の緩和の方針が揺れ動いたからだ。 …
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亀梨和也「事故物件」好調 松竹とジャニーズの意外な関係
亀梨和也主演の「事故物件 恐い間取り」が好調だ。現時点では、最終の興収で20億円以上が期待できる。大ヒットである。わかりやすく、浸透性のあるタイトルとタイトルどおりの中身が、かなり功を奏したとみえる…
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菅田×小松「糸」のヒットは必然?“歌謡映画”から読み解く
菅田将暉、小松菜奈主演の「糸」がヒットしている。最終の興収で15億円以上が狙える。この時期にたいしたものだ。 中島みゆきの楽曲「糸」からインスパイアされた作品である。映画を見ながら、ある思い…