大高宏雄の新「日本映画界」最前線
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スバル座閉館前に歴代最多動員主演俳優P・フォンダ氏逝く
米国のスター俳優、ピーター・フォンダさんが8月16日に亡くなった。享年79。彼の代表作にして、アメリカン・ニューシネマの傑作「イージー・ライダー」(1970年=日本公開)で一世を風靡した。 …
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新藤兼人版との違いは?原爆投下直後を描いた「ひろしま」
原爆投下直後の広島の惨状を中心に描いた映画「ひろしま」(1953年公開)が、NHKのEテレで今週16日深夜に放映される。快挙である。今月3日には総合テレビでアニメーション「この世界の片隅に」を放映し…
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新シネコン激戦区「池袋」の誕生裏で存在感かすむ「渋谷」
都内・池袋にできた新しいシネコン、グランドシネマサンシャインが評判だ。 巨大なスクリーン、感度良好な音響環境など、近年進むシネコンの最先端設備が存分に完備されている点が、集客の大きな理由にな…
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菅田将暉 かつての「8・15シリーズ」大役級を軽やかに好演
公開中の「アルキメデスの大戦」が、全く意表をつく中身だった。太平洋戦争前、数学の天才が戦艦大和の建造を阻止する話というのは予告編などで知っていた。だがまさか、その話のみで押し切る作品とは思ってもみな…
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冒頭から涙が…観客の心揺さぶるレッドフォードの深い皺
映画を見て画面に映る俳優の皺(しわ)に泣ける、そんな初めての経験をした。米映画の往年の大スター、ロバート・レッドフォードが主演した「さらば愛しきアウトロー」である。レッドフォードの顔に深く刻まれた皺…
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平日のミニシアターが満席「新聞記者」は声なき声を拾った
この混み具合は何だ。都内のミニシアターを訪れると、平日の午後にもかかわらず満席で、夕方近くの回にやっと入ることができた。作品は話題の「新聞記者」だ。年配者が多いが、ひとりで来ている若い女性もいる。館…
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「凪待ち」主演・香取慎吾が圧巻の演技で見せた崖っぷち男
都内のシネコンで、筆者の両隣に女性の1人客が座った。映画が終わり近くなった時点で、2人のすすり泣きが聞こえてきた。続く何カ所かの場面でも、2人は涙を流しているようだった。映画のなかで、ぎりぎりに生き…
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コミカルとアクション描写が調和した岡田准一の新境地
岡田准一の俳優としての凄さを再認識した。興収20億円以上も視野に入ったヒット中の「ザ・ファブル」の演技である。都市伝説に登場するような凄腕の殺し屋を演じた。ある理由があって、ボスから普通の生活をする…
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仏映画の巨匠ルネ・クレールが活写する“毒婦”に現代を見る
フランス映画の巨匠、ルネ・クレール監督の2本の名画が先週から恵比寿ガーデンシネマ(東京・渋谷区)で公開されている。「巴里祭」(1933年)と「リラの門」(1957年)だ。4Kデジタル・リマスター版の…
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石橋保が好演「カスリコ」人生を狂わせる賭博の本質を活写
カスリコという言葉を知っている人は少ないだろう。賭場で、客の世話などをして僅かばかりの祝儀をもらう仕事のことだ。 その言葉をタイトルにした「カスリコ」という作品が22日、公開となる。舞台は1…
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入場料金26年ぶり値上げで見える映画会社の“本音と建前”
映画館の入場料金が、今月1日から上がった。シネコン中心であるが、一般料金の値上げは何と26年ぶりだ。地域によって据え置きのところもあり、興行各社まちまちの設定だが、大手のTOHOシネマズでは、全館で…