日本女子マラソン「光と影」
-
中国・王軍霞の世界記録を生んだのは「犬のシチュー」か、それとも禁止薬物だったのか
1993年に中国全国運動会で王軍霞が1万メートルで出した29分31秒78という記録は今でも世界歴代4位だ(現在の世界記録は29分1秒03)。当時は女子が1万メートルで30分を切ることなど想像すらでき…
-
90年代の女子長距離を席巻した中国「馬軍団」の練習に密着すると…“おかしな動き”が
昨年の東京五輪1万メートルで7位入賞の広中璃梨佳は、今回の世界陸上では日本歴代2位の30分39秒71でも12位。5000メートルで決勝へ進んだ田中希実も15人中12位に終わった。近年はマラソンもトラ…
-
野口みずきは1年半でワコール退社し失業…資金難から出場した犬山ハーフをきっかけに開花
野口みずきが意外な才能を見せたのは失業中のことだ。 「おまえが何人か選手を募り、育て、うちから(全国)都道府県駅伝に代表を出し、京都を全国優勝させてくれ」 ワコールの塚本幸一社長(当時…
-
レース当日まで野口みずき本人にも黙っていた アテネ五輪での“大きな賭け”
2004年アテネ五輪本番(8月22日)の5日前に現地に入ると野口の動きはすこぶるよく、完全に仕上がっていた。「調子が下り坂になったらかなわんな」という思いから、1日でも早くレースが始まってほしかった…
-
野口みずきを「ストライド走法」に変えた チョコチョコ走りでは世界では戦えない
野口みずきは2003年8月の世界陸上が終わってから、翌年8月のアテネ五輪までマラソンは一度も走っていない。ただし、五輪に向けてのトレーニング目標として、毎月1回ハーフの大会に出した。フルマラソンに比…
-
野口みずきは世界陸上で五輪切符を獲得、メダルに届くのではと思った
野口みずきは2003年8月の世界陸上パリ大会はキャサリン・ヌデレバ(ケニア)に19秒差で敗れたものの、一番乗りで翌04年のアテネ五輪代表に内定した。このレースで有力者たちの走りはある程度わかった。優…
-
真木和の失敗から、野口みずきが五輪メダルを狙うのに「十分な時間」が欲しかった
オリンピックのマラソンでは苦い経験がある。 真木和が1万メートル代表(12位)で出場した1992年バルセロナ五輪で、有森裕子は2時間32分49秒で銀メダルを手にした。このぐらいの時計で銀メダ…
-
野口みずきは初マラソンVでアジア大会代表に それでも私が辞退させた理由
15日に開幕した世界陸上(以下世陸)のマラソンは男女のエース(鈴木健吾・一山麻緒)と新谷仁美がコロナ感染で欠場するという異常事態が発生。日本人最高位は18日に行われた女子マラソンに唯一出場した松田瑞…