著者のコラム一覧
藤田信之日本実業団陸上競技連合顧問

1940年10月、京都府出身。洛北高卒業、京都市職員を経て68年ユニチカ陸上部コーチ、72年監督就任。86年ワコール初代監督、99年グローバリー初代監督、2005年シスメックス初代監督、11年同陸上部顧問退任。現在、日本実業団陸上競技連合顧問。

真木和の失敗から、野口みずきが五輪メダルを狙うのに「十分な時間」が欲しかった

公開日: 更新日:

 オリンピックのマラソンでは苦い経験がある。

 真木和が1万メートル代表(12位)で出場した1992年バルセロナ五輪で、有森裕子は2時間32分49秒で銀メダルを手にした。このぐらいの時計で銀メダルを取れるのかと思ったら、翌年の世界陸上シュツットガルト大会では浅利純子が2時間30分3秒で金メダルを取った。

「1万メートルをナンボやっても世界では勝てん。マラソンをやろう」と真木に言ったら、「私は嫌です。次も1万メートルに出たいです」と言う。

 ところが、だ。96年1月の東京シティハーフマラソンに出たら1時間8分18秒で優勝。ハーフマラソンの日本最高記録(当時)だった。前日までマラソン転向を口説いても「ロードは絶対に嫌です」とかたくなだったのに、レースが終わると「マラソンやります」とコロッと変わった。

 アトランタ五輪は同年7月だ。マラソンの予選会に出るにも、東京国際は前年11月に終わっているし、1週間後の大阪国際には間に合わない。最終選考の3月の名古屋国際まで急ピッチでマラソンの練習を開始。真木にとって初めての中国・昆明での高地トレーニングを行ったが、その間に故障して痛みの残る状態で帰国することになってしまった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造