野口みずきは世界陸上で五輪切符を獲得、メダルに届くのではと思った
野口みずきは2003年8月の世界陸上パリ大会はキャサリン・ヌデレバ(ケニア)に19秒差で敗れたものの、一番乗りで翌04年のアテネ五輪代表に内定した。このレースで有力者たちの走りはある程度わかった。優勝のヌデレバは確かに強いが、2位野口、3位千葉真子、4位坂本直子までは日本勢が独占。マークするのは6位のアレム(エチオピア)ほか、数人だ。
4月のロンドンで世界記録(2時間15分25秒)を出したラドクリフ(英国)は不在だった。調べてみると世界記録の時は気温が低く、ペースメーカーも男子。好記録はいつも気温の低い時が多く、暑いアテネなら勝負になるかも、メダルに届くのではと思った。
世陸では野口の欠点が改めてわかった。陸連の帖佐(寛章)副会長から「野口は上りには強いが、下りは体が反ってスピードが落ちる。アップダウンのあるところを走らせた方がいい」と助言を受けたことを踏まえ、五輪に向けて積極的にアップダウンのあるコースでのトレーニングを実施した。
■女子の指導は男子の3倍労力がかかる