年をとったら「太る」を目指す
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嚥下障害や歩行障害の原因は薬の多剤併用にある
近年、問題になっているのが薬の多剤併用(ポリファーマシー)です。多くの種類の医薬品が処方されていることで、特に高齢者によく見られます。加齢によって複数の病気を合併することが多くなり、結果的に多剤併用…
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経口摂取が困難な場合「人工栄養」はやるべきか
がんになると、健康な時のようには食事をできなくなることが多く、低栄養になりがちです。 抗がん剤や放射線などの治療を組み合わせてがんを治療して、寿命を延ばせられる可能性がある時に、経口摂取が困…
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リハビリによる低栄養を避けるポイント
リハビリをすると、エネルギーを消費します。何らかの病気や障害を抱えており、手足を動かしにくい状態でリハビリを行っている当事者には、足をわずかの高さ持ち上げ、前に動かすだけでも、かなりの労力を要するこ…
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タンパク質制限を考えながら筋肉量アップ
腎臓の機能が低下した慢性腎臓病は「20歳以上の成人の8人に1人いる」ともいわれ、新たな国民病として注目されています。高齢者に慢性腎臓病の方は少なくなく、現在の慢性腎臓病の患者の多さを考えると、今後ま…
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椅子からのスクワットはフレイル対策に最適な運動
高齢で食べる量が少なく、運動もあまりしないでいると、サルコペニアや骨粗しょう症を起こしやすくなります。サルコペニアで動かなくなると一層、骨粗しょう症やサルコペニアが進むという悪循環に陥ります。 …
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嚥下障害があればサルコペニアのチェックが必要
サルコペニアは、加齢、低活動、低栄養、疾患によって筋肉量が減少し、全身の筋力や身体機能の低下が起こることです。 以前この欄で、嚥下(えんげ)障害のある患者さんには、しばしばサルコペニアがみら…
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認知症で低栄養に 患者が食べられない理由はさまざまある
認知症になると、低栄養になりやすくなります。食事の摂取量が減りやすいからです。 アメリカ栄養士会とアメリカ静脈経腸栄養学会による低栄養の3つの原因分類で見ると、認知症による低栄養の多くは「社…
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「低栄養だからエネルギーを多く入れればいい」は間違い
アメリカ栄養士会とアメリカ静脈経腸栄養学会は、低栄養の原因を3つに分類しています。「社会生活環境に関連した低栄養」「急性の炎症に関連した低栄養」「慢性の炎症に関連した低栄養」です。 患者さん…
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筋肉量のピークは20代 “貯金”が老後の生活にも影響する
モデルの例を出すまでもなく、「痩せている方がスタイルがよくてかっこいい」という考えは、若い女性を中心に根強く残っています。人気のあるぽっちゃりしたタレントさんがいても、自分に置き換えて考えると「太っ…
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医師でも理解度はマチマチ リハ栄養チェックのポイントは
リハ栄養に関しての理解度は、医師の間でもまちまちです。リハ栄養という言葉や知識をまったく知らない医師は少ないと思いますが、知っているのと行動に移しているのとは別問題です。 栄養サポートチーム…
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リハビリ栄養の現場ではBMIのチェックが欠かせない
リハ栄養の現場で定期的にチェックする数値のひとつがBMIです。体脂肪や筋肉量を見るのがベストですが、検査機器がないと評価しにくい。BMIは体重と身長が分かれば、体重(キログラム)÷身長(メートル)の…
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たとえ肥満であっても糖質は1日400キロカロリーは必要
高齢者では「痩せ」が死を招く大きな問題になります。一方で、高度の肥満も放置はできません。高度肥満のままでは思うように体が動かせませんし、腰、膝、足首に負担をかけます。もちろん、高度肥満が関係する生活…
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老親が痩せていれば主治医にまず相談を
栄養管理に重きを置いたリハビリを行う中で、難しさを感じることがあるのが、主治医とのやりとりです。 私たちリハビリ栄養サポートチームは、患者さんに応じた栄養管理とリハビリの内容を決定し、主治医…
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サルコペニアで嚥下障害 口から食べるために栄養管理を
胃ろうに対してマイナスの印象を抱いている人が多いように思います。「一度付けると一生外せない」「無理やり栄養を取らせている」「かえって患者さんをつらい状態にしている」といったイメージがあるのでしょうか…
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本格的なリハビリの前に十分な栄養摂取から始める
元気になりたいと一生懸命リハビリをしているのに、栄養管理が不十分だったために体重が落ち、亡くなってしまった患者さんを目の当たりにし、私は改めてリハビリにおける栄養管理の重要性を痛感しました。今の病院…
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寝ているだけの生活では筋肉量がどんどん落ちて痩せていく
入院して手術を受けると、痩せることが多い。理由は主に「手術の影響」「動かない(動けない)こと」「点滴による摂取エネルギーの減少」です。 若くて体力がある人であれば多少痩せても大した問題ではあ…
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餓死を招くケースも リハビリにおける栄養管理の重要性
リハビリにおいて、栄養管理が非常に重要だと考えられ始めたのは2010年以降でしょうか。私が「リハ栄養」に関する本を出したのがきっかけになったと思います。 私自身、医学教育で栄養についてしっか…
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一見すると肥満でも サルコペニアやフレイルの可能性あり
超高齢社会の今、積極的な対策が求められているのが、「サルコペニア」と「フレイル(虚弱)」だ。 サルコペニアはギリシャ語の「サルコ(筋肉の意味)」と「ペニア(喪失の意味)」を組み合わせた言葉で…
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痩身高齢者には寝る前の甘い飲み物や高カロリーおやつが吉
地方都市に住む70代の女性は数年前に夫を亡くして以降、自分が食べるためにおかずを何品も作ることが面倒に思え、ご飯と作り置きの煮物1品だけで済ませることが増えた。 食べる回数も減った。一人暮ら…
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痩せ型老人の積極ウオーキングは転倒や骨折リスクが上昇
私たちは「肥満は悪」という考えが染みついている。 実際、肥満は糖尿病、高血圧症、脂質異常症など多くの生活習慣病に関係し、動脈硬化を進行させ、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患のリスクを上げる。…